■■■「ザ・ヒル」■■■
(15点:地雷)
大学の水泳部員である主人公は成績の伸びない事に悩み、友人の勧めからステロイド(筋肉増強剤)を服用していた。
しかしステロイドを飲むようになってから、彼は奇妙な悪夢に悩まされるようになる。
そんな折、水泳部員の一人が酒を飲んだ後に池で遊泳中に謎の失血死を遂げる。
ステロイドを飲んだ水泳部員の血を吸った影響で、ヒルが巨大化し凶暴化して人間を襲っていたのだ。
やがて、巨大ヒルは大群となって学生達を次々と襲い始める…
最初にタイトルを見た時に『「ザ・ヒル」って何の映画だ?』と疑問に思ってパッケージを手に取ったのですが…『ヒル』って『丘』じゃなくて『蛭(ヒル)』の事かいっ!!
誰だか知らないけど、この邦題を考えた人のセンスは最高です!!
あんまりのバカバカしさに、思わず速攻でレンタルしてしまいましたよ。
(ちなみに原題は「LEECHES(ヒル)」、ホントそのまんまですな…)
タイトルの面白さに対して本編はどうか?って言いますと、コレがまたとにかくひたすらショボい…
内容的には、学園物をベースとした生物パニック映画といった体裁なのですが、まずパッケージに書かれているアオリ文句が『「パラサイト」に迫る学園生物パニック映画』。
っていうか、「パラサイト」自体が無茶苦茶ベタベタなB級ホラーなのに、それに迫ってどうするのよ?
(いや、個人的には「パラサイト」は5本の指に入るぐらい好きなホラー映画なんですが…)
他にも『放射能の影響で巨大化したヒルの群れが人間を襲う~』みたいな事が書いてあったりしたのですが、本編ではステロイドの影響で巨大化してます。
…ホンマにこのパッケージ作った人間は、映画本編を観たんかいな?
とまあ、パッケージだけで既にツッコミどころ満載なんですが、本編がコレまた輪をかけてヘボい。
巨大ヒル(体長30cmぐらい)が集団で人間を襲うという内容なんですが、この巨大ヒルがどうみても単なるハリボテで、床を這い進むシーンなんかどう見てもハリボテを紐で引っ張ってるだけ…っていうか、シーンによってはホントに紐が見えてるよ!!
人間を襲うシーンにしても、ヒルが直接人間に襲い掛かるシーンは無く、前のカットでヒルが接近してると思ったら、次の瞬間にはヒルが吸い付いて人間が苦しんでいるという無茶なカット割の連発。
しかもどう見てもその巨大ヒル、人間が自分の手で持って体に押し付けているんですが。(笑)
なんつーか、このCG全盛期の時代に「殺人魚フライングキラー」レベルの特撮はどうよ!?
まあ、CGを使うのが絶対的に良い事だとは言いませんが、それにしてももうちょっと見せ方の工夫でソレっぽく見せられたでしょうに…
ストーリーに関してもコレまたインド人もションボリなレベルのお粗末ぶりで、最初に主人公っぽい位置づけだったキャラは何の盛り上がりも無く殺されて、全然関係無さそうな脇役っぽいキャラが突然主役になるわ、登場人物は仲間が次々と死んでいても全然気付かないマヌケな連中だわ、女教師は本編ともヒルとも全然関係ないところで突然殺されるわ…
もう、とにかくツッコミどころが満載でツッコまないで済む場所を探す方が難しいぐらいの映画で、細かいツッコミを入れだすと小冊子1冊分ぐらいに達しそうなイキオイ。
あ、でも『ステロイドで巨大化したヒルを逆に食べてしまい、自分がパワーアップする体育教師』には笑わせて貰いましたが…
ここまでボロクソに書いといて総評も無いもんですが、総評としましては…
はっきりいってB級どころかZ級の超クソ映画です。
自分から敢えてクソ映画を観ようというチャレンジャー以外は、絶対に見てはいけません。
せめて、もうちょっとハジけた内容なら、ツマんないけど笑える映画にはなってただろうに…
『こんなクソ映画を観た!!』っていうネタの為に敢えて観たいという人は止めはしませんが、同じクソなら「呪怨」でも観たほうが…
ちなみに、パッケージの『「パラサイト」に迫る~』というアオリ文句…
この映画で、そんな事を書いては「パラサイト」に対して失礼です。
全然迫って無いので、是非とも撤回していただきたい。