■■■「ダイ・アナザー・デイ」■■■
(85点:オススメ)
北朝鮮で武器の密輸を行なっている軍の将校を暗殺する任務に就いた007は、首尾よく彼を暗殺する事に成功するが、敵側のスパイによる情報漏えいの為、脱出に失敗し北朝鮮の軍部へと捉えられてしまう。
数ヶ月の監禁と拷問生活を強いられた彼は、MI6の人質交換によってなんとか救出されるが、その失敗から00ナンバーを剥奪される。
殺人許可証を失った彼は、それでも自分を嵌めた裏切り者をつきとめるべく、単身で調査を開始するが…
とまあ今更説明するまでも無い、伝統あるスパイアクション映画である007シリーズの最新作に当たる作品です。
東西の冷戦が終結してしまいMI6も実質的に解散となったため、一時期は勢いを無くしていた007シリーズですが、ピアーズ・ブロスナンの演じる新シリーズになってから快作を連発しており、なかなかに勢いを取り戻したようで、今作も単純にエンターテイメントとして楽しめる非常に良く出来た作品となっています。
旧シリーズでは東西冷戦を、最近ではテロリストとの戦いを描いた007シリーズですが、今回の敵は北朝鮮とは…なんとも世界情勢の時流が良く分かる映画です。
007シリーズといえば、アクションとユーモアとお色気、そして奇想天外な秘密兵器といったエンターテイメント要素がてんこ盛りといったのが特徴ですが、今作でもそれぞれのサジ加減が非常にバランスよく組み込まれており、まさに男の子向けエンターテイメントのお手本といった感じで楽しませてくれます。
ただ今作のネタに関しては、殺人許可証剥奪という設定は「消されたライセンス」ですし、敵側の秘密兵器の『イカロス』も「ダイヤモンドは永遠に」を彷彿とさせるようなネタですし、流石にシリーズを重ねすぎてネタ切れしてきたのか?とも思ったのですが、他にも、今作の本編の中でQが集めていた秘密兵器が、今までのシリーズで使われた武器だったりと、シリーズのファン向けのパロディと思えるようなネタも仕込まれてたりしたので、ネタが被っているのも実はパロディの一環なのかも?
まあ何にせよ、最近の人が旧シリーズをそんなに詳しく知ってる事も無いとは思うので、別にネタが被っていても面白ければ全然OKなのでしょう。
総評としましては、単純明快に実に面白いアクション映画の快作です。
最近はアクション映画も流行っていてイロイロと新シリーズも作られていますが、それでもやっぱ007は面白いなぁ…と改めて感心しました。
とりあえず、アクション映画が好きならば観ておいて損は無い一本だと思うので、興味がある場合は是非ともチェキしておきましょう。