NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「予言」(70点/Jホラーシアター)

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■■■「予言」■■■
(70点/Jホラーシアター)

 大学教授である里見は、家族と一緒のドライブ中に立ち寄った電話ボックスで、奇妙な記事が書かれた新聞を発見する。
 それは、彼の一人娘である奈々が『自家用車とトラックの衝突事故で死亡する』という物だった。
 我が目を疑った彼だったが、果たして目の前で新聞に書かれた様に大型トラックが愛車に衝突し、娘を失ってしまう。
 
 それから3年後、彼は大学教授を辞めて妻とも離婚し、高校教師として世捨て人のような生活を送っていたが、彼の元妻である綾香が大学での研究中に『未来を予知する新聞』である「恐怖新聞」の存在を知り、時を同じくして里見の元へ新聞の内容を予告する一人の少女が現れた事から、否応無く事件へと巻き込まれていく事となる。


 Jホラーシアターとして公開された「感染/予言」のうちの一本で、つのだじろう原作の人気漫画である恐怖新聞」をモチーフとしたサスペンスホラー映画。

 恐怖新聞が原作と言っても、ストーリー的には直接の繋がりは無く、モチーフとしてはアクマで『未来の事が記された新聞が主人公の元へやってくる』という事と、『新聞を読み続ける事で寿命が削られていく』という事が使われているという程度で、あまり原作との繋がりはありません。

 一応、原作の主人公である『鬼形レイ』なる人物も重要人物として登場しますが、ほんの味付け程度といった所で、原作でおなじみのポルターガイストとかも登場しませんので、基本的に別の話だと考えておいた方が良いでしょう。


 未来に起こる惨事を未然に防ぐために行動するというと、キング原作の「デッド・ゾーン」という映画を思い出しますが、ノリ的にもアレとちょっと似ています。

 ただ、この映画の場合は恐怖新聞」の内容を阻止すると、代償として自分の生命力が削られていくというシビアな設定のため、『自分の娘を助ける事が出来なかったトラウマ』と、『これから起こる惨事を事前に知ってしまう事によるジレンマ』との間で悩む姿が上手く描かれています。

 『「恐怖新聞」とは何なのか?』という謎を追うミステリー的な要素と、『事前に惨事を防げるか?』というサスペンス要素、加えて先の読めないスリリングな展開の演出が見事で、非常にテンポ良く物語を楽しむ事が出来ます。

 オチの処理の仕方もなかなか見事で、『ああ、そう来たか!!』って感じで素直に感心させられました。


 総評としましては、小振りながらも非常に良くまとめられたサスペンスホラー映画の佳作というような作品です。
 怖さという点ではいま一歩迫力には欠けますが、ごく普通に面白い映画ですので「感染」「予言」のどちらかを観るならば、間違いなくこっちを観ておいた方が良いでしょう。

 無条件にお勧めとまでは行かないですが、気になってるならば『とりあえずチェキしておいて損は無い作品かな?』とは思います。
 最近のJホラーの中でも、結構おすすめ出来る作品ですよ。


 あと余談ですが、『100人以上が死亡する電車脱線事故というのが本編の中で登場する予言の中の、結構重要なファクターとして取り上げられていまして…
 単なる偶然なのでしょうが、ちょっとだけ空恐ろしくなりましたよ。