■■■「キラー・モスキート 吸血蚊人間」■■■
(モンスター/20点:地雷注意)
近未来、アメリカ合衆国は蚊を媒介として人間に感染し死に至らしめる新種の『西ナイル熱』の大流行の脅威にさらされていた。
生物学者のジェニファーは、蚊に遺伝子操作を施しウイルスに感染しない蚊を作り出す事でウイルスを根絶するための研究を行っていたが、ある日、彼女の元へ臨床試験の被験者として連続殺人犯のレイが送られてくる。
しかし、レイはガードマンの隙をついて銃を奪って逃走、研究所の中で激しい銃撃戦となった結果、機材の爆発によって彼は遺伝子操作された蚊の遺伝子と放射性物質を大量に浴びてしまう。
研究所からなんとか逃げおおせたレイだったが、やがて彼の肉体には異様な変化が起こり始め…
「蠅男の恐怖」ならぬ、遺伝子操作によって誕生した「蚊男の恐怖」を描いたモンスターホラー映画。
よく『名は体を現す』と言いますが、この映画もまさにその通りでいかにもヤバそうなタイトルのとおりに、内容も相当にヤバいZ級のホラー作品です。
映画の内容は全く持ってタイトルどおりの内容で、思わず『内容は無いよう』とかってダジャレが脳裏をよぎってしまうぐらいにホントに中身の無い映画で…『連続殺人犯が遺伝子操作の影響で蚊男になって大暴れして倒されておしまい』みたいなまんまのストーリーで、緊張感のある展開も謎解きプロセスも引っ掛けも無く、ホントに中身の無いお話です。
つか、80年代ホラーブームの時期ならともかく今時こんな話って…いったい何十年前の映画の脚本だよ?とか真剣に思いたくなるような展開でしたよ。(ラストの展開だけは、ちょっと意外と言えば以外だったけど…)
モンスターの造型も、モンスターというよりは『怪人・蚊男』とでも言う表現がふさわしいような子供向けの特撮番組みたいなレベルだし、蚊だけに血を吸って相手を殺すんだけど殺し方もイマイチ面白味に欠けます。
っていうか、蚊というのは本来は雌の蚊が産卵する為に血を吸うのであって、食事の為に吸血してる訳じゃ無いのですが、まあそんな細かいところにツッコミを入れるような映画でも無いですか?
唯一、殺人犯の蚊男への変異シーンはZ級ホラーとしては結構力が入ってましたが、それも改めて見る必要がある程の凄い内容な訳でもなく…キャラクターの立て方もどうにも印象が弱く面白味が無いですし…
映画そのものはZ級映画としては、比較的マトモに作られては居るので観るに耐えないようなレベルでは無いものの、なんとも見所とかおすすめポイントに欠ける、ホントにツマんないだけ地味な映画という印象しか残らない作品かも?
総評としましては、ハッキリ言ってしまうと『人生のうち90分を時間を無駄遣いしたくない人は観なくてよい映画』です。
タイトルのインパクトの割に内容にインパクトが無さ過ぎるのが、ちょっといただけない感じかなぁ?
せっかく蚊男なんてインパクトバツグンのキャラを作ってるんだから、内容の方ももっと個性が溢れるような内容なら良かったのですが、やっぱアルバトロス・コアの配給映画のようには行きませんな…
以前に感想を書いた「キング・スネーク 殺人大蛇」や「キラーシャーク 殺人鮫」や「パラサイト 殺人寄生虫」等と、一緒にまとめて日本でのDVDリリースが行われてるみたいなんだけですが、この辺はもしかして元々シリーズになってる作品なんでしょうか?
シリーズなんだとしたら、『他のも同レベルの相当アレな内容なんだろうか?』とか思うと、モンスターホラー大好き人間の私でもちょっと観るのに腰が引けてしまいますよ。(って言うか、観なきゃいいじゃん…)