NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スケルトンマン 史上最悪の死神」(40点/スラッシャーホラー)

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■■■「スケルトンマン 史上最悪の死神」■■■
(スラッシャーホラー/40点)

 森林地帯で演習を行っていたアメリカ陸軍の部隊が、突然に何者かの襲撃を受けて消息を絶つ。
 生き残った隊員の救助と原因究明のため、陸軍の特殊部隊であるデルタフォースの隊員たちがその場所へと派遣されるが、既に部隊は全滅しており、彼ら自信も正体不明の何者かの襲撃を受ける。

 森の中を探索するうちにネイティブアメリカンの老人と出会った彼らは、その老人から『400年前に部族を皆殺しにした狂戦士コットン・マウス・ジョーの亡霊が50年毎に蘇り惨殺を繰り返す』という伝説を聞かされる。

 最初は伝説を一笑に付した彼らだが、やがて彼ら自身も黒馬にまたがり黒いローブを身に纏った骸骨マスクの怪人の襲撃を受け、隊員が一人また一人と血祭りに上げられていくのだった…


 不気味な伝説の残る森の中で、特殊部隊の面々が謎の怪物と対決する…という、スラッシャーホラームービー

 『特殊部隊が森の中で怪物と戦う』というと、B級モンスターホラーの佳作と言われるプレデターを思い出す人も多いと思いますが、本作もノリ的にはまさにそんな感じの作品で、プレデター」のB級版…(というか「プレデター」自体が既にB級なのでC級版?)みたいな感じの映画です。

 この怪人「スケルトンマン」ってのが『黒いローブに骸骨マスク』という、そのまんま死神みたいな外見なのですが、馬にまたがって大剣や槍や弓矢等を使って最新の装備で武装した特殊部隊員を血祭りに上げていく姿はなかなかにカッチョ良いです。

 また、この手のB級映画にしては派手な爆破シーンなんかも結構用意されており、銃撃戦やアクションのシーンなんかも多く怪物も出し惜しみされずに映画開始後5分ぐらいの初っ端から大暴れしてくれるのでなかなか見応えもあって、『コレは結構良作かも!?』と最初は期待したのですが…

 何と言うかこの映画、とにかく「スケルトンマン」が強すぎるのです。

 特殊部隊の銃撃を受けても当たってるんだか当たってないんだか分からないぐらいに手応えが無く、爆弾でフッ飛ばしても平然としてる。
 槍や剣で武装してるので近接戦闘でも滅法強くて、空間をワープみたいな感じで瞬間移動するのでまさに神出鬼没、更に馬に乗って移動するため通常でも走って逃げる人間なんかよりも十分にスピードも速くて、犠牲者が逃げてもあっと言う間に追いつかれる。

 更に厄介な事に、これだけ強いもんだからホラー映画のお約束である『被害者は一人になった時に襲われる』なんて法則は無視して、みんなで固まって居ようが建物の中に居ようが、堂々と乗り込んできて武装者だろうが非武装者だろうが情け容赦なしに大虐殺を繰り広げる。

 『こんな凶悪な怪物を出しちゃって、果たして収拾が付くんだろうか?』と不安に思いながら観てたら、中盤辺りから予想通りに話の収拾が付かなくなってきて…

 特殊部隊も怪物への攻撃が決め手に欠けるもんだから、対抗手段が無くて単純に銃を乱射するばかりで面白味に欠けますし、その割に怪物の方は特殊部隊との戦いだけでは飽き足らずに、化学工場のプラントにまで乗り込んできて警備員や従業員を殺しまくるもんだから、もはや手に負えなくなってしまい話はグテグテに…

 ラストも『手に負えないので大爆発で無理矢理終わらせてみました』的な投げっぱなし状態。
 ハッキリ言って中盤以降は収拾が付かない雰囲気が読めてしまうので、観ててホントにダルくなってきます。

 確かにサブタイトルにあるように『史上最悪の死神』ってのは分かるんですが、もうちょっと弱点なりなんなりを設定しておけば何とかなったでしょうに、これじゃ『シリーズが続きすぎたせいで能力がインフレしすぎて手に負えなくなった子供向けのヒーロー』のようですよ…

 総評としましては、素材は悪くないんだけど展開が冗長すぎて途中で飽きてしまうという、なんとも微妙な感じのホラー映画です。

 最初の45分ぐらいまでは、それなりに面白いんですけどねぇ…もうちょっとストーリーにメリハリがあるか、内容が整理されてれば結構面白くなったかも?とも思うのですが…
 怪物のデザインや雰囲気は悪く無いので、ハッキリ言ってちょっと惜しい感じのする映画ですよ。

 ハッキリ言って中盤が同じノリの繰り返しで無意味に尺が長いので、途中を早送りするぐらいのつもりで観ればちょうど良いかも?
 まあ、『そこまで無理して観るほどの価値があるか?』と言われると、それもまた微妙な所なんですけどね。