■■■「ディープ・ブルー」■■■
(65点/海洋ドキュメンタリー好きなら+10点)
イギリスのBBCが製作した、海洋生物をモチーフとしたドキュメンタリー映画。
私が「デーィプ・ブルー」と書くと、遺伝子操作で頭の良くなったサメが人間を襲うというパニック映画を連想されるかもしれませんが、そっちじゃありません。
あと、リュック・ベッソン監督のジャック・マイヨールの伝記映画でもありません。(それは「グラン・ブルー」)
ドラマ仕立てでも何でも無いドキュメンタリーなので、特にこれといったストーリー等は存在せず、「ナショナル・ジオグラフィック」や「ディスカバリーチャンネル」、日本で言うとNHKの「生き物地球紀行」みたいな感じで、簡単なナレーションを交えながら粛々と海洋生物の映像が流されるといった感じ。
ただ、この映像がとにかく物凄く美しくて、内容も『どうやって撮影したの!?』っていうような凄い映像が多くて、単純に映像を見てるだけでも十分に鑑賞に耐えるレベルの作品なのですが…
特に、BGMのオーケストラヒットと5.1chのサラウンドの環境音を用いた演出が秀逸で、何も考えずにボーっと眺めてるだけでも、自分がその場に居るかのように心に訴えかけるほどのインパクトのある作品に仕上がっています。
シャチやサメの襲撃シーンは、相当迫力があってオススメです。
最近はシャチとかって、頭が良くて可愛らしいみたいなイメージがありますが、この映画を観るとシャチが『海のギャング』と呼ばれる所以とかが良く分かりますよ。
ただし映像的には凄いのですが、内容的には今ひとつ新味が無いのは残念な所。
全体の尺が短いせいもあって、一つの生物をあまり掘り下げて解説してない事もあり、生物ドキュメンタリーとかを良く観る人からみると『どっかで観た事あるネタだなぁ』と思うような内容の物が多くて、ちょっと新たな驚きには乏しいかなと…
もうちょっと、『こんなの知らなかったよ!!』っていうような驚きがあれば申し分なかったのですが、その辺は、そっちの専門の番組を見ろって事なんですかね?
総評としましては、基本的にドキュメンタリー物とかが好きな人ならば、無条件に観ておいても損は無いかな?というレベルの作品だと思います。
ただし先述の通り、ホントにドキュメンタリーが好きな人が観るとネタ的にはちょっと弱いかなと感じる部分も…
「WATARIDORI」は、結構ネタ的にも面白かっただけに、それがちょっと残念かな?
逆に、『ドキュメンタリーは余り観ないけど、ちょっと興味がある』って感じの人が観るのが、一番楽しめる作品かもしれませんね。
まあ、それを差し引いても映像表現のレベルは素晴らしく、『人間は地球の事を全部知ってるように思ってても、ホントは地球の素顔を全然見れてないんだなぁ…』という感銘を受けるような気持ちにさせてくれる作品ではありました。
個人的には、こんなに映像と音を楽しむ作品なら『どうせなら劇場の大画面で観ておきたかったなぁ』とちょっとだけ後悔。
まあでも海洋生物好きなので、DVDで保管しておくには十分な作品なんだけどね。