NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「アサルト13 要塞警察」(65点/B級アクション:結構オススメ)

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■■■「アサルト13 要塞警察」■■■
(65点/B級アクション:結構オススメ)

 オトリ捜査中に自分の判断ミスで同僚2人を死なせてしまった刑事のローニックは、捜査中の負傷を理由に一線を退き、閉鎖直前の老朽化の進んだ警察署であるデトロイト『13分署』で巡査部長としての職務に付いていた。

 そして、8ヶ月後の2004年の暮れも押し迫った大晦日の夜。
 裏社会の大物である凶悪犯罪者のビショップが警官殺しの罪で警察に逮捕され、囚人護送車で護送される事となるが、猛吹雪による悪天候の為に道路が封鎖されてしまい、緊急の受け入れ先としてローニックを含めた3人の署員のみが当直を勤める『13分署』が選ばれる事となる。

 彼らは、警備の手薄な『13分署』でビショップのような大物犯罪者を拘留する事に不安を感じるが、果たして彼らの不安は的中し『13分署』は謎の武装集団による襲撃を受け、孤立無援の猛吹雪の中で謎の武装集団と戦わざるを得ない状況に陥ってしまうのだった…


 1976年にジョン・カーペンターによって製作された、カルト的人気を誇るB級アクション映画である要塞警察リメイクに当たる作品。

 最近のハリウッドのリメイクブームは、もはや何でもアリな感覚が強くなってきていますが、それにしても元々が『B級映画の巨匠』(←ホメ言葉)と言われるカーペンター監督の作品をリメイクしても、やっぱりB級映画にしかならない事は分かっている訳で…こんな作品まで引っ張り出してくる辺り、よっぽどネタが無いんでしょうか?

 しかしまあ、映画が『B級だからツマんないか?』と言われると、決してそう言う訳でも無くて、むしろ本作は良い意味でB級テイスト溢れる作品に仕上がっていると思います。

 登場人物も少なく舞台の展開も殆ど無いという低予算っぽい作りながらも、『西部劇のような孤立無援状態での銃撃戦』『誰が敵になって味方になるのか分からない緊張感』やらが作品の中に上手く組み込まれており、単純なお話ながらも非常にテンポが良く途中でダレずに一気に鑑賞出来る作りは上手いです。

 また、警察官と犯罪者とが生き残る為に一時的に協力して戦うという展開は、王道ながらもやっぱ燃える物があって、イーサン・ホーク主演の責任感の強い警察官・ローニックと、マトリックスレジスタンスのリーダー役を好演したローレンス・フィッシュバーンの演じる裏社会の大物・ビショップという2人のキャラクターの非常に濃い存在感も、本作に良い味を持たせていると言えるでしょう。

 実は私、カーペンターのファンと言いながらもオリジナルの要塞警察は観た事が無かったのですが、本作もカーペンター監督ほどのカルト的な『濃さ』は無いながらも、主役の2人のキャラクターが、物凄くしっかりとした『自分流の美学』を持ってて、とにかく『やたらと男ッ前でカッコイイ』辺りなんかは、なかなかに上手くカーペンター風味を醸し(かもし)出しているのでは無いでしょうか?

 総評としましては、『非常にB級らしいB級アクション映画』だと思います。

 全体的にコンパクトに仕上がって、あまり頭を使わずに観れるカッコ良さを重視したストーリー展開ながらも、アクション偏重にならずに『それなりの人間ドラマ』『シニカルなユーモア』も含まれている中身のある作品ですので、『それなりのアクション映画』をサクっと観てサクっと気持ちよくなりたい人にはオススメ出来る作品だと言えます。

 まあ所詮はB級映画なので過剰な期待は禁物ですが、カーペンター風の潔いまでの『男らしさ』を感じれる作品ですし、男らしいB級アクション映画が好きだと言う人なら観ておいて損は無いでしょう。

 オリジナル版のファンの間では賛否両論あるようですが、個人的には予想以上に楽しめた作品でした。