NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マンモス」(45点/生物パニック)

イメージ 1

■■■「マンモス」■■■
(45点/生物パニック)

 ルイジアナ州で博物館の館長を勤めるフランク博士は、研究用に寄贈された冷凍マンモスの調査中に氷塊の中から奇妙な『クリスタルの欠片』のような物を発見。

 謎の発見と研究に熱心になるあまり時間を忘れた彼は、警備員から声をかけられた時に、ようやく今日が娘の16歳の誕生日だった事を思い出し、慌てて自宅へと帰宅しようと車へと乗り込む。

 しかし彼が車に乗り込んだ直後に、空に巨大な隕石が出現し、隕石はそのまま博物館を直撃。

 慌てて隕石の落下現場へと駆けつけた彼だったが、展示場はボロボロとなり一人の警備員が絶命し、隕石の落下の衝撃からか冷凍マンモスは14tの氷塊とともに消失していた。

 しかし、蒸発して消え去ったと思われていたマンモスは、何と氷の中から復活しており、やがてその恐ろしい本性を剥き出して人間を襲い始めるのだった…


 太古の時代から氷の中に眠り続ける冷凍マンモスが、隕石の落下の影響で復活して人間を襲い始めるという生物パニック映画。

 マンモスって言うと、恐竜の図鑑とかで見るとあたかも『物凄い巨大生物』みたいに描かれてますが、あれは生物学的な大発見だからページが大きく割かれているだけで、基本的には『現代のアフリカゾウなんかよりも少し小さい程度』だと言います。

 そんなマンモスが1匹ぐらい復活したからといって、大パニックを引き起こすような事があるのか?と疑問に思いつつ見ていたのですが…

 いやはや、本作は設定だけ聞くとあたかも『普通のパニック映画』っぽい印象を受けるのですが、実は『落下した隕石はエイリアンの宇宙船で、謎の不定形のエイリアンがマンモスの死体に乗り移っていた』という、かなりトンデモ設定のSF映画だったりします。

 マンモスは、なんせ中身がエイリアンな物だから銃で撃たれても平気でピンピンしてますし、鼻から人間の生命エネルギーを吸い取るとかって怪しげな行動を繰り出したりと、なんともいかがわしいげな技を繰り出してます。
 …っていうか、ソレは最早マンモスでも何でも無いだろう!!

 何か、説明だけ聞くとアホ臭い映画のように聞こえますが…

 実際に内容もかなりアホ臭い…というか、ぶっちゃけ半分はコメディ映画みたいなノリのお話で、要所要所にSF映画やホラー映画のパロディが出てきたり(しかも、そのネタが妙にマニアック)と、正直言ってマトモな映画ではありません。

 ただ、このコメディがイマイチぱっとしないのと、コメディっぽい作風の割に主要登場人物がイキナリ殺されてみたりと、妙に『笑うのも不謹慎かなぁ?』と思うようなシーンが多くて、バカバカしいんだかシリアスを描きたいんだかのさじ加減が何とも微妙。

 恐らく、『B級SFのパロディ』+「M.I.B.」みたいなノリを狙った作品だと思うのですが、どうにも中途半端でパニック映画なのかパロディ映画なのかコメディ映画なのか、どれもどっち付かずな印象のお話になってしまっている感じですね。

 人が殺されるシーンを描くにしても、主要登場人物は殺さないとかで、もうちょっと能天気なノリを貫き通すなりの、もっと上手い見せ方があったんじゃ無いかなぁ?

 作品のテンポも序盤は結構良い感じなのに、中盤~終盤の一番盛り上がるべき部分が妙に冗長でテンポが悪くて緊張感に欠けてしまっている感じで、この辺ももうちょっとどうにかなったんじゃ無いかと…

 また、CGで描かれたマンモスのデザインは悪く無いものの、CG故に人間との絡みのシーンが少な目で、これまたもうちょっと迫力に欠ける感じ…

 …って、さっきからなんか『もうちょっと』ばっかりだな、俺。


 総評としましては、まあいわゆる微妙な感じのコメディホラーなんですが、全体的に、まさに『もうちょっと、がんばりましょう』って感じの作品ですね。

 狙いやノリは悪く無いと思いますし、実際に観てても途中で投げ出したくなる程にツマんない話じゃ無いんですが、全体的にどこか垢抜けないというか…いまいち引き込まれる物の無い『決め手に欠ける作品』なんですよ。

 とりあえず、あまりオススメもしませんが、コメディホラーが好きな人ならば無理に止める事もしませんので、その辺はお好みで…。