NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マインドハンター」(50点/サスペンス)

イメージ 1

■■■「マインドハンター」■■■
(50点/サスペンス)

 FBI分析官(プロファイラー)の候補生であるサラは、分析官となる為の最終実施試験を受ける為に、同期のメンバー達数名と共にノースカロライナ沖の無人島にある施設を訪れる。

 試験の内容は、3日間以内に『無人島内で起こった架空の殺人事件』を調査し、その犯人を捕まえるという物で、この試験の合否で分析官として採用されるかが決まるという、非常に難度の高い物だった…

 しかし試験となる事件の調査中に、候補生の一人が何者かの仕掛けたトラップによって殺害されるという『本物の殺人事件』が発生。

 自分達以外は存在しない筈の無人島で事件が起こった事から、『仲間達の中に殺人犯が居る』と考えた彼らは疑心暗鬼に陥り、やがて反目しあうようになっていくのだった…


 「ダイハード2」やらエクソシスト ビギニングやらの、微妙なB級映画を撮る事で有名(?)な、レニー・ハーリン監督のサスペンス映画。

 ホラーファンの間ではディープ・ブルー(人食い鮫の方ね)なんかも撮った監督として有名ですが、この監督の撮るホラー映画って正直言ってツマんない物が多いのですが、まあ『サスペンスならどうだろう?』と思って鑑賞してみたのですが…
 なかなかどうして、この監督はサスペンスの方が向いてますよ。

 ホラーの際に障害になる『あんまり怖くない恐怖演出』サスペンスには良い味付けですし、『うっとおしいぐらいのショッカー演出』も、サスペンスだとなりを潜めてて良い感じです。

 もともとストーリーテリングや、作品のテンポの良い運び方は上手い監督なので、今後はお得意のアクション映画とサスペンスを中心に撮ってくれた方が良いかも?


 映画の内容の方は、FBI分析官の候補生達が連続殺人に巻き込まれて、殺人鬼と対決するという設定から、てっきり『「デス・ノート」ばりの壮絶な頭脳戦』みたいなのが展開されるのかと期待してたんですが…

 なんというか、フツーです。
 良くも悪くも、ごくフツーのサスペンス映画です。


 ストーリー自体はそこそこ面白く、話の流れや作品のテンポは悪く無いのですが、舞台の凝った設定の割に、妙にツッコミどころ満載な展開なのは微妙な所…

 絶海の無人島で仲間が殺されて『犯人が自分達の中に居るかも?』と疑心暗鬼になるって展開は悪くは無いのですが、『FBI分析官』の候補生のクセに何人もの仲間が殺されるまで『誰も犯人の分析や情報収集を開始しない』って展開はどうよ?

 また犠牲者たちが、やたらと不用意に安易なトラップに引っかかりまくるのは、民間人ならともかく『FBI分析官の候補生』としてはどうなのかと?

 そもそも、殺人鬼が『殺害時間と殺す人数』を予告してるんだから、その時間は全員で監視しあって身を守るぐらいの事をすれば良いのに…
 殺人鬼が『2人殺す』と予告している時に、2人づつに分かれて行動したりするのは、お約束とは言え流石に『アホかッ、お前らはッッ!?』と思いましたよ。

 もし、この主人公たちが「SAW」ジグソウ・キラーと対決したら30分で全滅確定でしょう。

 あと、『液体ヘリウムで犠牲者を凍らせたり』と、殺人鬼の仕掛けるトラップが妙に残虐で凝ってる辺りが、この監督のホラー好きな一面を感じさせます。

 でも、殺し方も「SAW」とか「CUBE」とかに比べるとあまりインパクトも無くて、やっぱ『フツー』な印象ですねぇ…


 総評としましては、特に驚きは無い内容ながらも『ごく普通のサスペンス映画』として楽しむ分には、それなりに楽しめる映画だと思います。

 設定の奇抜さに内容が負けてる感はありますが、映画そのものがツマんない訳でも無いので、とりあえずサスペンス好きの人なら暇つぶし程度に観る分には良いんじゃないでしょうか?
 ぶっちゃけ、『割とスグにTVで放映されそうな気がする作品』なので、急がなければTV放映待ちとかでも良いかも?

 まあ、可も無く不可も無し…って感じの言葉が一番しっくり来るような作品でした。