■■■「ミシガン・チェーンキラー」■■■
(40点/スラッシャーホラー)
大学の心理学講座の学生のニコール達は、教授の計らいで週末にミシガンの離島にある教授の別荘を利用してバカンスに出かける事となる。
しかし別荘で先発したメンバーと合流する予定だった彼女たちは、先発メンバーが泥酔してコテージで眠っていたマークを除いて行方不明となっており、更に後発のメンバーも何者かに次々と惨殺されるという事件が発生する。
彼らは先発メンバーの唯一の生き残りであるマークこそが殺人鬼ではないかと疑いを抱くが…
離島にバカンスに訪れた大学生の面々が正体不明の殺人鬼に襲われるという、いかにもな設定の青春スラッシャーホラー映画。
邦題では「テキサス・チェーンソー」のパクリっぽいタイトルが付いてて、パッケージにもチェーンソーを持った殺人鬼が映ってますが、こんなシーンもチェーンソーを持った殺人鬼も本編には出て来ないですし、別に「テキサス・チェーンソー」を意識したような内容でもありません…というか、むしろ似ても似つかぬようなお話です。
原題は「SILENT SCREAM」と言った、むしろ『SCREAMを意識した?』と思われるようなタイトルが付いてたり、殺人鬼の格好が『フード付きのコートに斧』という「ルール」を意識したような格好だったりと、どちらかと言うと『定番的な青春スラッシャーホラーのイメージ』を意識したような作りの映画ですので、この邦題は少々センスに欠ける気がしますね…
内容からすると、いっそ「ルール」シリーズに類するような邦題を付けた方がしっくり来るような映画かも?
肝心のお話の方も、タイトルやキャラクターのイメージどおりに何とも定番的な青春スラッシャー映画的な展開で、バカンスに来た大学生達が酒とかセックスとかに興じて遊び呆けている最中に、謎の殺人鬼が現れてアホな若者達を殺しまくるというお約束のパターンを披露してくれるのですが…
登場する犠牲者(大学生)の数が多い事もあって、殺人鬼がとにかく景気良く人を殺しまくってくれるのでテンポ良く観れるのは良いですね。
なんせ、90分程度の尺の映画なのに犠牲者が10人以上に上るので、平均10分弱に一人の割合で人が殺される為、とりあえず中だるみはしません。
しかもこの殺し方が殺人鬼が毎回わざわざ違う凶器を使って、ワイヤーで首を切断したり、ビニール袋で窒息させたり…とバリエーションに富んでるので、まあとりあえずソレを観ているだけでもそこそこ楽しめます。
この辺のサービス精神の旺盛さは、他のB級ホラーにも見習って欲しい部分と言えるでしょう。
…が、お話そのものが面白いか?と言われると、ぶっちゃけソッチの方は少々微妙な感じ。
殺人鬼が犠牲者を殺しまくってくれるのは良いんですが、逆にあまりにもサクサクと簡単に人を殺しすぎる為に『どうせコイツらも死ぬんでしょ?』と言う展開が読めてしまい、緊張感に欠ける部分があるのは痛し痒しと言った所。
また、オチは一応は若干ひねった感じには成ってるものの、終盤付近でちょっと展開が読めてしまう部分もあって『ちょっと驚きは少ないかな?』ってのが惜しい所でしょうか…
総評としましては、不満点も少なくないながらも全体的には『それなりの完成度』は維持できている作品だと思うので、『B級ホラーとしては及第点』と言った感じの一本と言えるでしょう。
割と可も不可も無い感じの内容なので強くオススメする程の映画では無いものの、スラッシャーホラーが好きならばとりあえず観てみても後悔はしないレベルの作品では無いかと…
ただ「テキサス・チェーンソー」っぽいパッケージに騙されて、「テキサス~」っぽいノリの作品を期待してると肩透かしを食らわされるかもしれませんので、ソレだけは要注意ですね。