■■■「ハートストッパー」■■■
(35点/スラッシャーホラー)
連続殺人鬼であるジョナサン・チェンバースが電気椅子で処刑される事になる。
彼を逮捕したバーガー保安官はチェンバースの死刑と彼の死体の護送に立会うが、死体の護送中に自殺未遂の少女を拾い、死体と一緒に病院へと護送する事となる。
しかし護送先の病院で、死んだ筈のチャンバースの死体がにわかに復活し、彼は病院にいた医師や介護士たちを次々と惨殺していくのだった…
『素手で人間の心臓をえぐり出す』という不死身の連続殺人鬼の恐怖を描いた、スラッシャーホラー映画。
なんと言うか、特にコレといったコメントをする事が無いような『ごく普通のスラッシャーホラー映画』ですな…
『死刑になった筈の殺人鬼が蘇って人間を殺しまくる』という展開や、殺人鬼が魔術に傾倒しているっぽい事を臭わせるような設定が、なんとなく「チャイルドプレイ」やらウェス・クレイヴンの「ショッカー」を彷彿とさせますが…
別に殺人鬼が『子供向けの人形に乗り移ったり』、『全国ネットの電波にのって飛び回ったり』する訳でも無いので、リスペクトにしても少々インパクトに欠けます。
パッケージには、「エルム街の悪夢」のフレディ役のロバート・イングランドが主演と描かれているのですが、実際には全然主演でも何でも無くて割と序盤にアッサリと殺されてしまうのは『なんだかなぁ…』って感じ。
殺人鬼が景気良く人を殺しまくるのは楽しいのですが、殺し方が『素手で相手の心臓をつかみ出す』という『どこの「必殺仕事人」だ?』と言いたくなるような方法で、コレがどうにもアッサリしすぎで盛り上がりに欠けるのは欠点かと…
大量殺戮するにしても、もうちょっと殺し方にバリエーションが欲しかったなぁ?
ストーリーもイマイチ訳ワカメな感じで、殺人鬼とヒロインとに何か関連がありそうな空気を漂わせて居ながら、最後までその事には何の解説も無し…
全体的に説明不足なうえにオチも全く意味不明で、どうにも『監督の頭の中だけで自己完結しちゃってる』みたいな感じです。
物語の展開が早くて途中であまり退屈する事が無い事と、銃で何発も撃たれても平気で蘇るという殺人鬼の尋常じゃないタフさ加減は、まあそこそこ良い点かな?
総評としましては、何と言いますか『非常に悪い意味でB級らしい内容』の凡庸なスラッシャーホラー映画です。
予算もそこまで低予算って感じでも無いですし、全体的に『目も当てれないほど酷い』って部分も無いのですが、とにかく見所に欠ける内容でどうにも印象に残らない映画って言うのが正直な所。
別に凄くツマんない訳でも無いんですが、コレと言って推すようなポイントも無いのであんまりオススメもしません。
まあ、『久々にロバート・イングランドの顔を観たくなった』という人ならば、気が向いたらお好みで…って感じですね。