NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

『オブリビオン(Xbox360版):ぶらりトカゲ男ひとり旅日記/その9』

オブリビオン(Xbox360版):ぶらりトカゲ男ひとり旅日記/その9』

■■■その9『オブリビオンゲート突入作戦・第1号』■■■

               *

 俺がその街へと近づいていくと、にわかに空模様がおかしくなりはじめた。
 それも『天気が悪くなった』などというのではなく、空が真っ赤に染まりはじめたのだ。

 一瞬、『いつのまにか夕方になってしまったのか』と思って時刻を確認してみるが、まだ夕焼けには早い時刻である。

 しかも街の住民たちが、街の前の広場に集まってキャンプを行なっており、まるで被災地か戦地の難民キャンプにような様相を呈しているではないか。

 集まっている街の住民たちに話を聞くに、どうやら街中に突然『魔界の門(オブリビオンゲート)』が出現し、ゲートから溢れ出すように出現したモンスターの群れによって街は蹂躙されて壊滅状態だと言う。

 なるほど空が真っ赤だったのは、件の「オブリビオンゲート」なるものが原因らしい。

 どうにもこの場所は、ヤバい臭いがプンプンするぜ…

               *

 ここで俺はハタとある事を思い出して、慌てて手元のメモを確認する。

 やはりそうだ、例の『ブレイズ騎士団の団長』に探し出す事を頼まれていた『皇族の最後の生き残り』の皇子が居るのは、まさにこの街ではないか…

               *

 街の様子を確認する為に警護部隊の人間に話を聞くと、既に警護部隊のメンバーが街中に突入して生き残った住民の救出に向かっているらしいが、魔物ども相手ではどうにも旗色が悪いというのが実情らしい。

 まあ正直な話、皇族がどうなろうと知った事では無いのだが、ブレイズ騎士団の団長の頼みごとを聞いてしまった手前もある。

 何よりも俺様は、団長の部屋の宝箱に『自分の荷物のうち高価な品物の大半』を預けっぱなしなので…

 『放置してたら皇子が死んじゃいました、てへっ…
  あ、これで用事は済んだので、俺の荷物は持って行きますね。』

 というのも、何とも体裁が悪いではないか。

 また、このままゲートを放置して、この界隈が魔物だらけになっても住み難い事この上ない。(そうだ、俺様はこの近所に家を買おうと思っていたのだ。)

 そんな訳で、せっかくだから俺様も魔物どもを退治して「オブリビオンゲート」を閉じるのに『一肌脱いでべらんんめぇ』と言う感じで協力してやる事とした。

               *

 警備部隊の隊長の話を聞くに、街を魔物から解放するためには「オブリビオンゲート」に突入して、ゲートの中央に立つ塔の中にある何らかの装置を作動すれば良いらしい。

 とは言え、つつましやかな「ならず者」の俺様が、そんな『世界の七不思議』みたいな「オブリビオンゲート」の中身なんぞ観た事がある訳が無いので、装置やら塔やら何の事やら良く分からんのだが…
 まあとりあえず、中に入ってみれば分かる事だろう。

 オブリビオンゲートに突入すると、そこは魔界というだけあって完全な『異界』だった。

 モンスターだけでなく、その辺に生えている植物までもが唐突に攻撃してきたりするので始末におえない。

 出てくるモンスターどもも、外の世界で遭遇する奴らとは異なり、『炎の精霊』やら『小さな頭突き恐竜』みたいのやら、今まで見た事が無いような恐ろしく強力な連中ばかり。

 また「ドレモラ」と呼ばれる、言わば『モンスターどもの警備兵』のような連中は、俺たちと同じように剣や鎧で武装し魔法まで使ってくる非常に厄介な連中どもだ。

 それに対してこちらは、一緒に突入した警備部隊の隊員も少しだけ居たものの、20秒ぐらいでアッサリ全滅してしまって、まったく頼りない事この上ない…

               *

 結局、「ランボー」よろしく『ワンマンアーミー』となった俺は…

 ・遠くに敵を発見 ~ 遠方から弓矢で狙撃

 ・敵が怒って接近してきた所で、背後にゾンビ召還

 ・ゾンビと一緒に前後からタコ殴り

 という恐ろしく地道な戦法でモンスターどもを個別撃破しながら進んで行く。

 しかし『頼りになる仲間』はゾンビだけか?

               *

 魔界に来てから学習した事として、俺様は『毒を使う』というテクニックを覚えた。

 錬金術で薬を精錬していると、時々『体力減退』とかの効果があるものが出来るので『一体何に使うんだ?』と思っていたら、コレは『武器に塗って使用する』ものらしい。

 例えば『体力減退』の毒を塗った武器で相手を斬れば、一定時間の間だけ相手の体力が時間と共に低下(要は『毒がまわる』状態)していくので、その気になれば『逃げ回っているだけ』でも相手を下す事が出来るので、強敵に出会った時に非常に便利且つ強力だ。

 毒に耐性の無い相手なら『毒を食らわせた後、ゾンビを召還して逃げ回っているだけ』でも倒せてしまう。
 (まあその分、毒薬も大量に消費するが…)

 「体力減退」の毒は「ハスの種」やら「イチゴ」から精錬できるらしいので、今度、街に行った時にでも多めに確保しておこう…


 また、フィールド画面でBACKボタンを押すと、敵が近くに居る場合は『待機できません』と表示されるので、簡易レーダーの代わりに使える。

 何か、『俺様の記憶』と『中の人の記憶』がごっちゃになってる気もするが、手強い敵が多いエリアでは覚えておくと便利なテクニックだろう。

               *

 さて、地道な『プチプチ潰し』のように塔の外に居る敵を各個撃破で殲滅し、無事に塔内に潜入した俺様だったが…

 塔の内部では一部屋に敵が複数居る事が多く、塔の外のような「各個撃破」が難しいため、どうしても徐々に『回復薬の本数』や『鎧や武器の耐久力』が目減りしていく…

 回復薬なんかは錬金術で練成すれば良いのだが、手持ちの素材の数にも限りがある。

 また、現状の俺様のスキルレベルでは『魔法のかかった武器や防具』が自分では修理できないので、『魔法の防具』を装備している俺様としては、闘いが長引けば長引くほど徐々に戦力が弱まっていく一方…。

 更に、ここに到って「ドレモラ・ロード」というとんでもない強敵が出現。

 コイツらは、先に説明した「ドレモラ」どもの云わば親分みたいな存在で、「ドレモラ」同様に武器や魔法で装備を固めている上にガタイもデカく攻撃力も強力で、まさに『魔界騎士』といった風貌の強敵だ。

               *

 だがしかしコイツらの存在が、逆に塔の攻略に頓挫しかかっていた俺様に光明を与えた。

 「ならず者」だけあって足の速さに自信がある俺様は、お決まりの『毒&ゾンビ召還』という『ヒット&ひたすらアウエイ』な戦法で、このドレモラの親分を1匹討ち取ったところ、コイツらは親分だけあって、やたらと強力な「魔法武器」を持っていたのだ。

 ただ、この世界での「魔法武器」はいわゆる『残高チャージ制』で、攻撃するたびに『チャージした魔力の残量』を消費していき、魔力が切れたら単なる『ちょっと強い剣』に成り下がってしまうのだが…

 とにかく、この「ドレモラ・ロード」どもが、出現する度に『チャージ満タン状態の強力な魔法武器』を落としていってくれるので…

 ・魔法武器でボコボコにして「ドレモラ・ロード」を倒す

 ・そいつの魔法武器を拾って、次の「ドレモラ・ロード」を倒す

 (…以下、繰り返し)

 という、まるで『他人のSuicaカードのチャージ金額を使って電車を乗り継いでいく』かのような、まさに『人生綱渡り劇場』な戦法で全ての敵を殲滅。

 無事に塔の内部を制圧した俺様は、塔の最上部に設置された「印石」というアイテムを確保して、魔界の門である「オブリビオンゲート」を閉じる事に成功したのだった。

               *

 さて、コレで残る今回の目的は『皇子さま』を救出するだけとなった訳だが…

 この時の俺様は、後に『真の苦難』が待って居ようとは思いもよらなかったのだった…。

                    (その10に続く…?)