（５０点／サスペンス）
街の不良であるバートは、仲間たちと一緒にクラブでヤスミンとエーヴという２人の少女をナンパする。
クラブで揉め事を起こしてつまみ出された彼らは、仲間たちと深夜のガソリンスタンドで万引きし郊外にあるエーヴの屋敷へと向かう事となる。
しかし到着した少女の住む村は異常なまでに解放的な雰囲気を持ち、えも云われぬ異様さを感じさせる場所だった…
若者たちが訪れたナンパした少女の住む村で、得体の知れない恐怖を味あわされるというフランス製のサスペンスホラー映画。
「変態村」と「変態男」に続く『変態シリーズ』の第三弾（？）…といっても、まあ実際に作品に何らかの繋がりがある訳でも無いですが、何かヨーロッパ系のサスペンス映画はこういうなんとも変態チックなノリの物が多いのでしょうか？
内容からして、具体的に『何が怖い』というのを明確には言えないのですが、とにかく『異様な雰囲気』のかもし出しかたにはヨーロッパ系の作品は、やはり見るべき物がありますね。
たいした事件が起こっている訳でも無いのですが、独特の世界観の感じさせる異常な空気は良い意味での『不快感』を作り出しており、いくら女の子をナンパする事が目的で訪れたのだとしても、自分ならこんな変な村は３０分ぐらいで早々に退散してしまう事でしょう…
物語のストーリーは、ちゃんとしたお話があるようで無いような、なんとも不思議な感じのお話です。
全編を通して『何かが起こりそう』な異様な気配は漂わせて居るのですが、その実はかなり終盤になるまで何も起こらなかったりするので、冗長と言えば非常に冗長な内容なのですが…
まあ作品の内容以前に、元々がフランス映画独特の退廃的で冗長な雰囲気を漂わせているような映画なので、あまり退屈という印象は受けません。
ただ、ラストシーンとかも『分かったような分からないようなオチ』で、基本的に雰囲気は悪く無いものの『何ともスッキリしないお話』です。
何が面白いのかと聞かれると上手く答えられないですが、『ノリとしては嫌いでは無い作品』といった印象でしょうか？
でも、「変態村」や「変態男」に比べるとインパクトに乏しくて、ちょっと面白味に欠けるかな…って感じの内容でした。
総評としましては、『異様で変態チックなノリ』には見るべき部分がありますが、『サスペンス映画として面白いか？』と言われると、何とも微妙なお話です。
変態チックな雰囲気や空気を味わいたいならば、まあ『観ておいても損は無いかな？』とは思いますが、マトモなサスペンス映画を期待して観ると、ちょっと肩透かしを食らうかも？
とまれ、ヨーロッパ製の『良く分からんノリのサスペンス映画』が好きならば、まあそこそこ楽しめる作品だと思いますよ。
