■■■「罰ゲーム」■■■
(65点/スラッシャーホラー:結構オススメ)
キャンプ場の側で砂金が出るというウワサを聞きつけたケイトらの大学生たち5人は、辺鄙な河原の側のキャンプ場へと向かうが、途中で道に迷って立ち寄った墓地で墓堀人に『過去にキャンプ場で起こったと言われる凄惨な双子の殺人事件』を聞かされる。
墓堀人にキャンプ場への道を聞いた彼らは、気を取り直してキャンプ場へと向かうが、途中の商店で店を経営していたサイモンとスタンレーという双子の青年に出会い、彼らの姿を双子の殺人鬼と重ね合わせて、何か不気味なものを感じ始めるのだった…
『キャンプ場で若者たちが正体不明の連続殺人鬼に襲われる』という、あまりにも王道シチュエーションな感じのスラッシャーホラー映画。
タイトルに付いている「罰ゲーム」というのは、いわゆる「SIMON SAYS」という欧米で有名な『命令ゲーム』(「王様ゲーム」みたいなもの?)を題材にしているようなのですが、殺人鬼が相手を殺す時に『サイモン・セイズ~』と言ってから殺すって程度で、本編は別に「殺人ゲーム」とかそういう内容ではありません。
もっと、若者同士が殺しあうような『サスペンスっぽいノリ』を予想してたのですが、そういう意味では、ちょっと予想外。
しかし、予想外ながらもツマんないかというとそうでもなく、むしろタイトルだけ観ると『いかにもアレな感じ』の印象を受ける本作ですが、なかなかどうして、中身の方は意外と良く出来たB級スラッシャーホラーの秀作と言える作品です。
初代の「13日の金曜日」ばりに、キャンプ場のあちこちに仕掛けられたブービートラップや、ツルハシにこだわった殺人ギミックの数々も面白いですし、残虐表現も結構強めでシチュエーションもなかなか豊富。
『お人形』のシーンのやりすぎっぷりは、相当キテて笑えます。
でも、残虐シーンで使われるCGとかにチープさを感じさせる部分があったのは、ちょっとだけマイナス点かな?
個人的に『獲物に向かってツルハシを大量に投擲する』という『ツルハシカタパルト』のギミックはかなり気に入りました。(どうやって再装填してるんだよ?ってツッコミどころもありますが…)
殺人鬼のムチャクチャなタフっぷりもなかなか良い感じなのですが…
ただ、殺人鬼の『双子』という設定は『オリジナリティを出したかった』のでしょうが、ぶっちゃけあまり活かされてないのでシナリオの構成には若干の疑問も感じます。
まあ、それでお話がツマんなくなっているという程でも無いのでOKでしょう。
気になったのは、序盤の話が動き出すまでの前振り部分が意外と長く、ちょっと冗長さを感じてしまった事かな?
『ヒロインとボーイフレンドの関係』とか、無意味にキャラクターを掘り下げた割には本編で全く関係なくサクっと殺されてしまったりするので、この辺の展開はもうちょっと簡潔にして、いっそ尺を10分ぐらい切り詰めて展開を早くした方が良かったかも?
総評としましては、全く期待してなかった割にはコレは『意外な掘り出し物』と言っても良いぐらいの、スラッシャーホラーの佳作と呼べるレベルの作品です。
この手のスラッシャー映画が好きな人ならば、ごく普通に楽しむ事が出来るレベルだと思いますので、とりあえず観ておいて損は無い一本だと思います。
無名でぱっと出た系のオリジナルB級ホラー作品としては久々の良作でしたので、なかなか満足の行く作品でした。