■■■「紀元前1万年」■■■
(50点/アクション)
はるか太古の昔、マンモスやサーベルタイガーといった巨獣が跋扈する紀元前1万年の世界。
孤児の少女エバレットは、部族の巫母から来るべき未来の『最後の狩り』の後に結ばれた戦士と共に、『ヤガルの民』の救世主となると予言される。
部族の戦士であるエバレットの幼馴染でもあるデレーは、『最後の狩り』の日に一人でマンモスを狩る事に成功しエバレットを自分の妻とする権利を得るが、祝宴のその夜に彼らの集落を馬に乗った謎の部族が襲撃。
エバレットは彼らの部族の他の人間と共に、謎の部族によって奴隷としてさらわれてしまう。
デレーは生き残った仲間の戦士たちと共に、謎の部族を追って集落からまだ見ぬ世界へと旅立つ事を決意するが…
「ID:4」のローランド・エメリッヒ監督による、紀元前1万年の世界を舞台としたスペクタクルアクション映画。
私、最初にこのタイトルを聞いた時に、『今度はハリウッドが「恐竜100万年(紀元前100万年)」のリメイクでも作るのか?』と思ってたんですが、全然別の話なんですな。
本編の方はと言いますと…何と言いますか、面白いか面白くないかはさておいて何とも中身の無い映画ですな…
巨大なマンモスの大暴れするシーンや、ディアトリマ(肉食巨大鳥)の襲撃シーンなんかは迫力がありますが、ストーリーの方はどうにもお粗末な印象。
主人公とヒロインのキャラクターの描き込みが弱くて、物語に特に山場がある訳でも無い為に、『仲間がさらわれたから助けにいくぜ~』みたいな感じで流されるままに淡々と物語が進んで、『ようやく盛り上がって来たかな?』と思いきやコレといった見せ場も無いままに敵のボスが倒されて、そのまま終了みたいな感じ…
一応、それなりに盛り上がるスペクタクルなシーンなんかもあるのですが、前後のストーリーの説明が希薄で、どうにも盛り上がりに欠けます。
ラストの唐突で強引なハッピーエンドの展開も『何じゃそりゃ?』って感じですし…
時代考証とかもムチャクチャで、人類がマンモスを家畜にしていたり『流石にソレは無いだろ?』ってシーンもチラホラ。
(まあ紀元前1万年の話なので、嘘かホントかも確かめようが無いですが…)
巨大生物の暴れるシーンは迫力がありますが、それ以外に関しては中身の薄いペラッペラな内容の映画でしたねぇ。
観終わった後に、本当に何の感想も残らないというか…
まあ、『勢いとスペクタクルのシーンだけで強引に作品を観せる』ってのは、ローランド・エメリッヒ監督のお家芸みたいなものですし、しょうがないって言ったらしょうがないのかも?
総評としましては、見た目重視の作品と言いますか…『見てくれのインパクト以外の中身が何も無い作品』といった感じの映画ですね。
何と言うか、予告編が全てを語っている作品って感じで、『予告編で見た内容』がそのまま長尺になった映画だと思っておけば間違いないでしょう。
予告編で見た内容を『もっとジックリ見たいなぁ』と感じれば観る価値はありますし、そうでなければ見なくても良いでしょう。
とまれCGの完成度はかなり高いですので、巨大生物マニアならばマンモスやサーベルタイガーやディアトリマの姿を観るためだけにでも、見ておいても損は無いかもしれませんよ。
(まあちょっと出番が少な目なのと、本編の内容の方がアレなのは多目にみる必要はありますけどね…)