NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「イントゥ・ザ・ストーム」(60点/パニック)

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■■■「イントゥ・ザ・ストーム」■■■
(60点/パニック)

 アメリカ中西部のシルバートンの町。
 嵐を追跡して竜巻の調査を行うトルネードハンターチームに所属する気象学者のアリソンは、気象データから巨大な竜巻がシルバートンに出現すると予想。
 竜巻のデータを収集するために、竜巻調査用の改造装甲車の『タイタス』で現地へと向かう。

 そんなさなか、高校の教頭を務めるゲイリーは息子たちの高校の卒業式の対応に追われていたが、果たして卒業式の最中に彼らの高校を竜巻が直撃。

 なんとか屋内に避難して難を逃れたゲイリーたちだったが、息子の一人がガールフレンドの卒業研究手伝いのために町外れの廃工場の撮影に向かっていたと知り…



 超巨大竜巻に遭遇したトルネードハンターと町の住人達のサバイバルを描いた、竜巻を題材としたディザスターパニック映画。

 いわゆる「ツイスター」とか流れを汲んだ竜巻もののディザスターパニック映画ですが、なんというか中身の方は当時と比べて『映像が進化』しただけのあまり変わり映えの無い感じの作品って感じですね。

 お話としては『巨大な竜巻が直撃した町の住人と竜巻調査チームが協力して災害から逃れる』みたいな内容なんですが、町の住人側の主人公である父親が被災地に取り残された息子を救出に向かうってのがメインのストーリーとして描かれてて『親子ドラマを中心としたお話』って感じですね。

 本作の良い点を挙げるとしたら、やはり『映像に迫力がある事』でしょう。

 CGを使った竜巻の映像はかなり気合が入って作られており、序盤はちょっと冗長な印象があるものの中盤~終盤にかけては災害シーンのつるべ打ちで、とにかく迫力のある映像のオンパレードという感じなのが凄いです。

 車や建物がバンバンと吹き飛ばされるシーンや火災現場を竜巻が襲って炎竜巻になるシーンなんかも凄いですし、特にラストの超巨大竜巻で飛行場のジャンボジェット機が次々と空に巻き上げられていくシーンなんかはかなりインパクトがあります。

 コレはぶっちゃけビデオじゃなくて劇場の大画面で観ていたら、もうちょっと評価が上がっていたんじゃないかという印象。

 ただ映像的には結構凄いシーンが多いのですが、肝心のストーリーの方はあんまり面白く無いのが困りもの。

 先述のとおり、主人公の親子ドラマが中心にメインの話が進んでいくのですが、主人公のキャラがそこまで深く描かれていないために唐突な『お涙頂戴』みたいな展開が鼻につく感じで、どうにも今ひとつ盛り上がりません。

 竜巻ハンターのチームの人たちもラスト以外は何だか影が薄いですし、全体的にキャラクターの描き込みがあまり上手くないせいで、映像の凄さの割には陳腐な感じの内容になってしまっている印象ですね。
 ヒロインもストーリー的に特に役に立ってないので物凄く影が薄いですし…

 あとラストのスペクタクル展開は派手で面白いのですが、派手さの割にはオチがちょっとカタルシスに欠けるのも勿体無いかなぁ?
 なんか妙にアッサリしてて『え、それで終わり?』みたいな感じで、ちょっと釈然としなかったです。

 他に、ところどころに『POV的な主観映像』を使ってる割には、特に効果的でもなんでもなくて『単にシーンの繋がりが不自然になってるだけ』なのは意味不明な演出でしたよ…


 総評としましては、良い意味でも悪い意味でも『ごく普通の竜巻ものディザスターパニック映画』って感じの作品です。

 迫力のある映像を観るのが目的ならば『十分にアリな映画』だと思いますが、ドラマ的な要素に期待して観ると『物足りなさを感じる作品』と言ったところでしょう。

 予告編とかを観て映像の部分に惹かれたのであれば、そこそこ観てみる価値はある作品だと思いますので、そういう部分を楽しみにしている人はチェックしてみても良い一本では無いでしょうか?