NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブラックサイト」(50点/サスペンス)

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■■■「ブラックサイト」■■■
(50点/サスペンス)

 インターネット犯罪を捜査する『サイバー犯罪課』に所属するFBI捜査官・ジェニファーは、警察からの捜査依頼で奇妙な『殺人Webサイト』の捜査を依頼される。

 そのサイトは、ライブ映像で殺人現場の映像をインターネットに流し『サイトの閲覧者が増えれば増えるほど、犠牲者に早く死が訪れる』という巧妙なギミックを仕込んだものであった。

 警察は映像から得られる手がかりを元に、なんとかして殺人現場を割り出そうとするが、それをあざ笑うかのように犯人は第2、第3の犯行を重ねていくのだった…


 殺人を生中継するWebサイトを用いた猟奇殺人を題材とした、ダイアン・レイン主演のサイコサスペンス映画。

 設定を聞いた時に、殺人の現場を生中継して『閲覧者が増えれば増えるほど犠牲者の死が早まる』というギミックはなかなか面白いと思いましたが、実際にそれ以外の部分に関しては割と凡庸なサスペンス映画といった感じかな?

 猟奇殺人ものの映画にしては、犯人の殺人の動機がハッキリと描かれており、謎解きに関しても『手がかりから犯人像を追って行く』という感じで、お話が非常に明確で分かりやすく、見終わった後の後味がスッキリしているのは良い点ですね。(ノリ的には「ボーンコレクター」とかに近い感じかな?)

 視聴者を『ネットの閲覧者』に見立てたような、唐突で且つちょっと考えさせられるようなラストシーンも、なかなか面白い仕掛けだと思います。

 …が、犯人の動機が物凄くハッキリしているため、『どんでん返し』のような物は全く無くて、割と中盤で犯人も顔出しして登場するため『意外性』という部分は殆どありません。

 したがって、サスペンス映画という事で『アッっと驚く意外な結末』のようなものを求めている人は、ちょっと肩透かしを食らうかも?

 犯人が、ネットの閲覧数に連動した『残酷な殺人装置』(※「閲覧数が増えると、犠牲者の入っている水槽に硫酸が流される等)を使って犠牲者を殺すって仕掛けは、ちょっと「ソウ」を意識しているかな?』って気がしますが、殺人装置のギミックの面白さは「ソウ」には全く及んでないので、逆に拍子抜けしてしまう感じ。

 なんとなく中途半端に「ソウ」を意識しているのが感じられてしまうため、視聴者もついつち「ソウ」と比較してしまうので、この部分は変に意識しない方が良かったような気も…
 (もっと『機械的な冷酷さで殺す』みたいなギミックの方が、より『ネット犯罪』っぽくて良かったかも?)

 あと前述のとおり、ストーリーの方は割とよく練られていて面白いのですが、サスペンスの緊張感としてはイマイチな部分が多いのは難点かな?

 殺人のシーンも散発的で、一つ一つの殺人シーンに割と間が空いてしまうため、ちょっと冗長な感じ…(ぶっちゃけ、主人公の娘のエピソードとか無理に必要無かった気がします。)
 また、殺人シーンでもあまり盛り上がるような演出が無いため、残酷なシーンがある割には『怖さ』があまり感じられないんですよね。

 全体的に『演出力』が『アイデアの面白さ』に負けてしまっており、ちょっとアンバランスな感じになってしまっている気がするので、その辺がもっと上手く作られてたら、非常に面白い作品になったのでは無いかと思うので、ちょっと残念な部分ではありますね。


 総評としましては、サスペンス映画としてはごく普通に楽しめるレベルの、『良くも悪くも普通のサスペンス映画』といった印象の作品ですね。

 緊張するサスペンス映画とかよりも、TV映画や『刑事ドラマ』的な『理路整然とした推理ドラマ』が好きな人なら、普通に楽しめる良作だと思います。

 逆に『殺人ライブのWebサイト』というアイデアの面白さから『奇抜な作品』を期待して観ると、ちょっと肩透かしを食らわされるかもしれませんので、そういう方面に期待してる場合は要注意ですね。