NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「悪魔の毒々パーティ」(55点/モンスターホラー:結構オススメ)

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■■■「悪魔の毒々パーティ」■■■
(55点/モンスターホラー:結構オススメ)

 ハワイにあるコサ高校では、例年恒例の卒業パーティ(プロム)が行われようとしていた。

 サエないオタクの青年のスティーブンは、チアリーダーのグゥエンをプロムのダンスに誘おうとするも玉砕した事から、プロムに誘う相手の居ないSF研のメンバーと共に墓場へと『幽霊探し』の探検に行く事になる。

 しかし墓場に行った彼らは、街外れの原子力発電所からの有毒廃棄物の影響で、死者たちが次々とゾンビとなって蘇っている現場に遭遇。

 なんとか九死に一生を得て葬儀場へと逃げ込んだ彼らだったが、プロムの開場がゾンビ達の格好の餌場となりつつある事を知った彼らは同じようにプロムに参加できなかった不良生徒たちと協力し、クラスメイト達を救うために学校へと乗り込む事を決意するのだった…


 『卒業パーティー(プロム)の夜にハイスクールがゾンビの群れに襲われる』という設定のモンスターホラー映画。

 B級映画ファンの間では最近はお馴染みの、やたらとマニアックなB級作品の配給で定評のあるGAGAの「G-CORE」ブランドですが…

 最近、何故だか『毒々シリーズ』と銘打った新作が、このメーカーから配給されておりますが、別にトロマ社が新作を発売したという訳でも無いので、実際には『毒々シリーズ』という訳ではありません。
 (まあ、昔の『毒々シリーズ』自体が、日本のメーカーが勝手に作ったシリーズだった訳ですが…)

 …が、徹底した『お馬鹿ホラー』なノリとか、『意味も無く過激な残虐描写』『工場の有毒廃棄物が原因でモンスターが登場する』等、確かに『毒々シリーズ』の定石を押さえたような作りで、コレなら『毒々シリーズを銘打っても納得かも?』というような完成度(良い意味でも悪い意味でも)の作品ですね。

 作品のチョイスの仕方とかが、流石に「G-CORE」ブランドのスタッフは『B級ホラーの事を良く分かっているなぁ』という感じですな。

 映画の内容も前述の通り、良い意味で『非常にB級臭い』作りの作品で…

 お話のテンポが非常に良く、ストーリーの整合性とかよりも『ノリの良さが重視されている』みたいな作りで、過激な描写とブラックなジョークが適度に散りばめられており、とにかく頭をからっぽにして楽しめるのは良いですね。

 主役級の人物のキャラ立ての仕方なんかも上手くて、普段は『負け犬』扱いされているオタク達や『鼻つまみ者』の不良生徒たちが、力を合わせてゾンビ軍団に立ち向かうというシチュエーションはなかなか面白いです。

 全体的に見て『この監督はB級ホラーの事が良く分かってるなぁ』って感じで、観ててスタッフのホラー大好きっぷりが感じられるのは良いところですね。

 特撮とかはショボいですが『観れないほど酷い』という訳でも無いですし、全体的にお話にイキオイがあるので、そこまで気になりません。

 むしろ、『やり過ぎだろう?』という過激な表現(仲間からトスされたゾンビの首をバットでカッ飛ばすシーンとか、本気で吹きました)とか、ゾンビとの乱闘シーンがゾンビ側も人間側も『殺る気マンマン』で、どう見ても本気で大乱闘してるっぽい所とかが、なかなか笑わせて貰いました。

 …が、いくら絶賛したところで所詮は『お馬鹿B級映画』なので、ぶっちゃけ『怖さ』は微塵も無いですし、ツッコミどころも満載です。
 普通に『怖いホラー映画』を観たい人がみてしまったら、観るに耐えない内容でしょうし、その辺を割り切って観れる人じゃないと、とてもじゃないけどオススメは出来ない内容ですけどね。(笑)

 まあ『毒々シリーズ』を銘打っている作品に、マジメなホラーのノリを期待している人も居ないと思うので、ある意味でこのタイトルのネーミングは正解と言えるのかも?


 総評としましては、何の比喩でもなく徹底的に『お馬鹿』と『B級』に徹した、まぎれも無い真性の『B級お馬鹿ホラー映画』ですね。

 マジメなホラー映画のノリを求めるならば、こんなバカな作品を観てはなりませんが、ひたすら過激でバカ丸出しの『お馬鹿ホラー』が好きな人ならばかなり楽しめる作品だと言えるでしょう。

 愛すべき『おバカホラー映画』が好きな人なら、なかなかオススメの一本だと思いますよ。