（５５点／サスペンス：結構オススメ）
深夜のドライブに出た５人の女子高生たちは、帰り道で近道をしようと入った脇道で道に迷ってしまう。
道を聞くために立ち寄った沿道の売店で、うっかりと駐車場にあった車に自分の車をぶつけてしまった彼女たちは、しらばっくれてそのまま逃げようとするが、ぶつけた相手の車に執拗に追跡されて袋小路に追い詰められる。
更に車から降りてきた女は何故か血まみれの服を着ており、彼女たちにショットガンを突きつけて支離滅裂な要求を繰り返すが、果たしてこの女の真の目的は何なのか…
そして、彼女たちはこの危機を乗りきる事が出来るのだろうか…
深夜のドライブに出た女子高生たちが偶然出あった頭のおかしな女に追い掛け回されるという、サスペンススリラー映画。
物凄いＢ級臭いタイトル（っていうか、実際にＢ級なんですが）ですし、最初は『何じゃコリャ』って感じの話かと思って観てたのですが、なかなかどうして、何とも壮絶なお話でした。
（っていうか、アルバトロスは『女子高生○○』というタイトルをシリーズ化したいのか？）
序盤はお話の展開が妙にトロいのと意味が分からなさ過ぎな内容で、ちょっと冗長に感じますが、『頭のおかしい女』の物凄く執念深い追跡劇による『延々と続く緊張感』のお陰で、中盤からなかなか面白い感じになってきます。
（イメージとしては「デスプルーフ in グラインド・ハウス」に、ちょっとだけテイストが似てるかも？）
全く意味の分からない『理不尽な暴力』に対する、不安やパニックの演出もなかなか段階を踏んでて良く出来てますし、しまいには『ブチ切れる女子高生』って展開もお約束ながら面白いです。
殆どが車内からの手持ちカメラの映像による「ブレア・ウィッチ」風の演出は、『画面が観辛い』という弊害はあるものの臨場感がありますし、また暴力シーンがそこまで過激じゃないんだけど、それが逆にリアリティを感じさせて何か怖いです。
というか、もしコレを『実話に基づいたサスペンス』だと言われると、思わず信じてしまいそうなぐらいリアルですよ…
ただ臨場感を出す為の『手持ちカメラの映像』が仇になっている部分もあって、とにかく映像に派手さが無いので、全体的にやや盛り上がりに欠けます。
また序盤の車での追跡劇のシーンとかでは、街灯も無い深夜の田舎道でのカーチェイスを『車内からの手持ちカメラの映像』で見せられても『何が起こってるのがよく分からない』ので、ちょっと退屈に感じてしまったり…
あと、映像や演出に『ちょっと、見せ方がこなれてないなぁ…』と感じる部分が多くて、冗長さを感じてしまう部分もあったので、その辺がもうちょっと改善されればもっと緊張感があって面白くなったと思うのが、惜しいところでしょうか？
でも、『衝撃的』だけど『そりゃ、こういう展開になるよな…』と妙に納得してしまうラストシーンも印象的ですし、何というか『凄い映画を観ちゃったなぁ…』というのが正直な感想です。
総評としましては、『予想の斜め上を行くような方向性だけど意外と楽しめたサスペンス映画』という感じの作品でした。
正統派では無くて、むしろ『イロモノ系』のスリラー映画ではありますが、ちょっと変わったノリのスリラー映画が好きなならば、なかなか楽しめる映画だと思います。
「ブレアウィッチ～～」とか「ヒッチャー」とか、そういったノリの作品が好きならば、観ておいても損は無いんじゃ無いでしょうか？
ノリはかなり独特ですが、個人的にはなかなか楽しめた作品でした。
