（５５点／サスペンス）
妹たちと一緒にブラジルへと旅行に来たアレックスは、旅先で出会ったバックパッカーの若者たちと一緒に田舎町に逗留するが、街でトラブルに巻き込まれて金品を全て奪われた挙句に住民から追われる身となってしまう。
地元の若者のキコの手引きによって街を脱出し、キコの叔父さんが住むと言う森の奥のコテージへと案内された彼らだったが、そのコテージは森の奥深くにあるのに異様に警備が厳重で設備の整った、どこか不審な物を感じる場所だった…
ブラジルの田舎町でトラブルに巻き込まれた若者たちが、臓器の密売業者に拉致監禁されるというサスペンスホラー映画。
田舎町を旅行中に行方不明になったバックパッカーが、臓器密売業者に内臓を抜き取られて殺されるという『都市伝説』を元ネタとしたお話で、ぶっちゃけて言ってしまえば、舞台がブラジルになった臓器密売版「ホステル」みたいな感じの内容です。
パッケージには『拷問サバイバルスリラー』とかって煽り（あおり）文句が書かれていますが、確かに『臓器抜き取りシーン』とかかなりエグいシーンはあるものの実際には「ホステル」とかみたいな『拷問シーン』とかは無くって、『拷問サバイバルスリラー』ってのはちょっと大げさというかイメージが違うというか…
中身の方も『拷問ホラー』というよりは、どっちかっていうとサスペンス色の濃い内容ですしね。
ただ、『生きたまま臓器を抜き取るシーン』は、カメラアングル等の誤魔化し無しでじっくりたっぷり描かれているので、医療系のグロシーンとか苦手な人にはかなり厳しい内容で、そういう意味では「ホステル」とかよりもキツいかもしれません。
先ほどから矢鱈と「ホステル」を引き合いに出していますが、実際に全体的に『「ホステル」を意識してるのかな？』と思われるような展開が多くて、『尺が90分程度なのにお話が動き出すのは60分過ぎた辺りから』という構成も一緒です。
…って、そんな所はマネしなくても良いですよ。
ただ序盤にも若干の見せ場がある事と、若者同士のやり取りのドラマのパートがそこまで退屈な内容じゃないので、序盤の展開も「ホステル」ほど冗長で苦痛じゃあ無いかな？
（一応、序盤のドラマ部分で後半の展開の伏線になってる所も何箇所かありますし…）
というか、本作は過剰気味の残虐描写はあるものの、むしろ『ホラー的な要素』はオマケっぽくてサスペンス的な部分がなかなか良く出来ており、特に終盤の水中洞窟での追跡劇のシーンは、かなり緊張感があって面白かったですね。
いっそ、序盤からサスペンス的な部分がもっと強く押し出された内容になってれば、そちらの方がもっと面白くなったかも？
総評としましては、やや序盤の展開がダルい点は気になりますが、それさえ我慢すれば『サスペンスホラー映画としては割と良作』に入る部類の作品ではないかと…
逆にパッケージを見て受ける印象から「ホステル」みたいな『拷問ホラー』系の作品を期待していると、ちょっとテイストが違うかもしれません。
あと、結構エグいシーンが含まれますので、サスペンスが好きでも残酷描写が苦手という人は観ない方が良いかも？
特に『医療解剖系』の映像がダメな人には、かなりキツい内容だと思いますので、要注意です。
