■■■「ワイルド・オブ・ザ・デッド」■■■
(65点/モンスター:結構オススメ)
アメリカの開拓時代の西部の田舎町。
軍からの脱走兵で流れ者のエルマーは、立ち寄った酒場で会ったルークという男とイザコザを起こしたせいで、保安官事務所に捕らえられてしまう。
『妻と娘を殺して食べてしまった』という不気味な男と一緒に牢屋に入れられた2人は、隙を見て保安官事務所からの脱走を行うが、その際に保安官助手が件の不気味な男に噛まれて負傷。
実はこの男は、『アパッチ族のジェロニモの呪い』によってゾンビと化していた事から、ゾンビ化の呪いは瞬く間に街の住民へと感染が広がってしまう。
エルマーとルークの2人は『不死身のゾンビ軍団』と化した追手の手を逃れるべく、荒野をコロラド川へと向かうが、その道中でスーザンと名乗る一人のインディアンの少女と出会うのだった…
アメリカの西部開拓時代を舞台とした、西部劇風味のゾンビものモンスター映画。
なんでも「サウスパーク」の脚本家であるグラスゴー・フィリップスが監督を行った作品という事なのですが…
こういう『変なあおり文句』の付いてる作品は微妙な事が多いので、ぶっちゃけ全く期待してなかったのですが、なかなかどうしてコレが意外な『掘り出し物』でした。
『西部劇とゾンビ』って組み合わせは、今となってはそこまで斬新という訳でも無いですが、容赦なく銃をぶっ放せるという点では設定として割とマッチしてると思いますし違和感も無くて良い感じです。
お話の内容的には割とコメディ色の強い作品で、『怖さ』とか『緊張感』は皆無ですが、主人公と相棒の2人の掛け合いが軽妙でバカバカしくて、軽い感覚でテンポ良く観られるのは良いところでしょう。
特撮のレベルもそこそこ並程度で、CGとかに若干のショボさを感じる部分はあるものの許容レベル。
映画としての見せ場もそこそこ用意されては居るのですが、西部劇が舞台という事もあって、全体的にあまり『派手な武器』や『派手な演出』が無くて、ビジュアル的に『若干の物足りなさ』を感じるのは残念なところかも?
「サウスパーク」の脚本家が監督したというだけあって、非常にブラックなユーモアがあちこちに散りばめられており、そういうノリが好きならば結構ニヤリと出来る部分が多いです。
滅茶苦茶にブラックなラストのオチも賛否両論ありそうですが、個人的には『アリかな?』って感じですし、全体を通してなかなか笑わせて貰いましたよ。
ちなみに本作のタイトルは原題では「UNDEAD OR ALIVE」となってるのですが、個人的に「ワイルド・オブ・ザ・デッド」よりもコッチの方がセンスが良いと思うのですが、なんで変えちゃっただろう…
やっぱ、某格闘ゲームの映画と勘違いされそうだからかな?
総評としましては、コメディホラーとしては割と良く出来た『佳作レベルのB級ゾンビ映画』だと言えるでしょう。
正統派では無い作品ですので、若干ながら『観る人を選ぶ作品』だと思いますが、ブラックなネタが嫌いじゃなければそこそこ楽しめる良作だと思います。
「キャプテン・スーパーマーケット」とか、そういう感じのノリの作品が好きな人なら、なかなかオススメ出来る一本ではないでしょうか?