NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「YETI イエティ」(35点/モンスター)

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■■■「YETI イエティ」■■■
(35点/モンスター)

 アメリカのアメフトチームである『グリズリーズ』の一行は、日本への遠征へと向かう途中、ヒマラヤ山脈の上空で飛行機が嵐に巻き込まれて墜落してしまう。

 なんとか事故を生き延びたチームの面々だったが、地上数千メートルの雪山で凍死の脅威と食糧難から新たな危機へと瀕しつつも、飛行機の残骸の元で救助を待つ事とするが、そんな矢先、チームのメンバーの一人が事故現場から犠牲者の死体を持ち去る『毛むくじゃらの獣人』の姿を目撃する…


 雪山で遭難したアメフトチームの面々が謎の『雪男(イエティ)』に襲撃されるという、モンスターホラー映画。

 観た感じからしアメリカのケーブルTV向けのTV映画』だとは思うのですが…

 なんと言いますか、タイイトルそのまんまの『ごく普通のモンスター映画』って感じの作品ですね。

 一応、主人公達が飛行機で雪山に遭難したという設定から、パニック映画的な部分もあって、本編の半分はモンスター映画というよりもパニック映画の要素が強い内容で…

 食糧難や極限状況から来る『仲間同士の対立』や『疑心暗鬼』みたいな要素が描かれているのですが、演出がショボくて盛り上がりがなく、また役者の演技も大根なので、全く危機感は感じられません。

 雪山での遭難の脅威とかが語られる訳でも無いですし、その辺で飛行機の残骸が燃えてるのに『焚き火を起こす為にマッチかライターを探そう』とか言い出したり、お前らはアホなのかと…

 地上4,000メートルの雪山で遭難したとか大層な設定を準備してるんだから、その辺はもうちょっとマジメに描けよって感じで、パニック映画としては三流も良いところです。

 かといってモンスターの描写が優れているかと言えば、これまた物凄く微妙な内容。

 肝心のイエティはどうみても『単なる着ぐるみ』で、雪山を歩きづらそうにノタノタと走るのですが、CGになった瞬間だけ驚くべき身体能力を発揮する姿は、何と言うか失笑を誘います。

 また設定で『身長3m』とかって言われてるのに、実物はどう見ても身長2mぐらいしか無いです。

 そんな着ぐるみですので襲撃シーンも全く迫力が無いですし、そもそも怪物が『色の白いチューバッカ』程度にしか見えずに『怖さが全く無いよなぁ…』とか思ってたら、主人公から『このチューバッカ野郎!』とかツッコまれてて、ちょっとウケてしまいましたよ。
 (いや、製作者も自覚はしてたんだなと…)

 まあショボい出来と言っても、お話そのものは絶望的なほどツマんない訳でも無いですので、観てて退屈するような作品じゃ無いですが…

 敢えて『この映画を観る要素』があるかと言われると、正直言って辛いところですねぇ。


 総評としましては、何のオススメ要素も無いような『ごく普通のD級程度の出来のモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。
 ホントに、B級って言うのもおこがましいD級ぐらいのランク。

 観てもキレたり、途中で寝たりするほどツマんなくは無いですが、かといって人生の貴重な90分を費やしてまで『この作品を見る程の価値』は何処にも見出せません。

 よっぽどモンスター映画に飢えてるんでもなければ、普通にスルーしてしまっても問題は無い作品では無いかと…