（５５点／モンスター）
前作のラストで怪物の襲撃をなんとか生き残った面々は、板金工場から脱出し留置場へと向かう。
街に援護に駆けつけた『カウボーイ』と合流した彼らは、スクールバスで街から脱出しようとするが、エンストで絶体絶命のピンチを怪物を追い払う力を持つ自称『預言者』に救出される。
『預言者』は『地上は既に怪物であふれかえっているので下水道を通って街からの脱出しよう』と提案し、彼らもそれに従うこととなるが…
前作である「フィースト２ －怪物復活－」の実質『後編』に当たる、ブラックなコメディ風味のモンスターホラー映画。
前編である「２」はホントに怪物の登場シーンが少なくて『見せ場の無い作品』でしたが、流石に後編だけあって、しょっぱなから怪物が出まくりで非常にテンポの良い展開になっています。
逆に後編はアクションシーンを詰め込みすぎで『ストーリーが全く無い』ぐらいに、モンスターの登場シーンばっかりの内容ですな。
映画のノリは、まさにシリーズのノリそのものでブラックユーモアに満ちた展開の連続。
『普通の映画だと主要登場人物になると思われるキャラ』が速攻で死んだり、意外なキャラがしぶとく生き残ったりと、あいかわらずの捻くれた展開はなかなか面白いですね。
あと、１作目で生き残った『イラつくキャラ』がバンバン死んでいくのも、なかなかに痛快です。
ホントに『２で感じたストレス』が、一気に発散される感じの内容ですね。
ただ過激でグロい描写は相変わらずですが、怪物にゲロを吐きかけられて『ゾンビみたいになった人間』が大量に登場するのは、いかにも予算低減を狙ったっぽい展開でちょっと残念。
下水道の暗闇の中でのシーンが多いのも、特撮の費用が安く済むからかなぁ？
どうでも良いですが、フラッシュライトの明滅の中で戦うシーンは、単純に画面が観辛いだけなので止めて欲しかったかも…
でもまあ細かいツッコミはある物の、やはり２に比べるとかなりテンポの良い展開＆過激な描写のテンコ盛りで、十分に楽しい作品になっております。
まあ、２～３と続けて観るのが理想なんでしょうが、それだと前半が地味すぎて退屈な印象なので、もうちょっと２と３のバランスを上手く取って『盛り上がるシーンを均等に配分する』事は出来なかったのかと…
あと、あのラストのオチは笑いましたけど『流石に酷すぎ』です。
ネタバレになるので詳しくは言いませんが、あまりの突拍子も無い展開にホントに開いた口がふさがらなくなりましたよ。
いやもう、ホントに史上空前の投げっぱなしオチって感じ…
投げっ放すにしても、もうちょっとマトモな終わらせ方があるだろうと…つか、アンタ、プロットとか設定とか本気で何も考えて無かったんだな。（笑）
さて、２～３と続けて鑑賞しての総評ですが…
とりあえず、１作目同様に『過激で残虐でバカバカしいモンスターホラー』として観ると、なかなかに良く出来たＢ級モンスター映画だと思います。
『下らない内容』を逆手に取った『何でもアリ』的なブラックユーモアもなかなか良いですし、１作目が面白いと感じた人ならば、とりあえず観ておいても損は無い作品では無いかと…
ただ本文でも書いたとおりに、２・３のバランスがちょっと悪すぎるのは難点かなぁ…
「２」は『退屈すぎ』なのに対して、「３」は『せわし無さすぎ』な印象なので、もうちょっとバランスよく作られてれば、もっと良かったと思います。
ぶっちゃけ、「２」を倍速再生して「３」を通常のスピードで観るぐらいで、ちょうど良い案配じゃ無いかと…
得点は「２」が４０点と「３」が５５点ぐらいで、総合すると５０点ぐらいかなぁ？
「２」のダルさのせいで前作よりも点を下げてる感じかも？
とりあえず２～３を続けて観ること前提でなら、『ゴア風味のモンスター映画』が好きな人ならば割と楽しめる作品では無いかと思いますよ。
