NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スリラー」(55点/オカルトサスペンス)

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■■■「スリラー」■■■
(55点/オカルトサスペンス)

 やり手の実業家であるエマは、ある日、夫であるアンリが過去に買ったと言うイギリスのパークサイドロッジという閑静な片田舎にある、古びた豪邸へと家族と共に引っ越す事となる。

 新居の屋敷にどことなく不気味な物を感じる彼女だが、やがて不気味な幻覚を見たり、居ないはずの子供の声を聞いたり、息子のトーマスが『見えない友達』と会話するようになったりと言った奇妙な現象のせいで、徐々に精神的に追い詰められていく…


 古い屋敷に引っ越してきた女性が、奇妙な怪奇現象によって精神的に追い詰められていくという、オカルトサスペンス映画。

 霊感を持った女性が、過去の出来事を幻視することによって『過去に起こった事件』の真相に迫っていくという、いわゆるオーソドックスな幽霊屋敷もののオカルトサスペンス映画。

 …かと思いきや、途中からお話が意外な方向へと進んだり、意外な人物が意外な伏線を握っていたりと予想外の展開があったりして、2転3転するストーリーはなかなか面白いです。

 正統派のオカルトスリラーかと思わせておいて、ちょっとひとクセある感じの作品ですね。

 映像のセンスもなかなか良くて、どことなく異様さを感じさせる屋敷や、寂れた庭園の雰囲気なんかは非常に良くて、不気味さを上手く盛り立てていると思います。

 ただサスペンスとしては、演出が今ひとつなのが残念なところ…

 どことなくヒッチコックを意識したような音楽や演出が使われているのですが、どうもカメラアングルとか間の取り方とかがイマイチで、『盛り上げようとしてる』のは分かるのですが、何か今ひとつ緊張感が出てなくて盛り上がりに欠けます。

 またショッカー的な演出も最初は良いのですが、あまりにしつこく同じパターンで繰り返すので、『あ、ここでビックリさせる演出が来るな…』ってのが読めてしまって、途中からちょっと飽きてしまったのは私だけですかね?

 ストーリーの類は割と良く出来ているのに、演出で損をしてて『盛り上がりに欠けるお話』になってしまっているのは、ちょっと勿体無いなぁ…と思いましたよ。

 あと、映画の直接の評価ではありませんが、本作の「スリラー」って言う『あんまりにもストレートすぎる邦題』は、流石に『どうなのよ…』って思います。

 まあ、原題の「KNIFE EDGE」ってのも意味が分からないタイトル(本編を見れば何の事か分かるのですが…)ですが、せめてもうちょっと『内容の想像が付く』ような邦題を付ければ良いのに…

 ここまでタイトルが安直だと『つまんなそうなタイトルだな』と感じて避ける人とか居そうなので、あきらかに損をしてる気がするんですけどねぇ。


 まあそれはともかく総評としましては、とりあえず『ストーリーだけ見れば、なかなか良く出来たサスペンス映画』だと思います。

 ただ、映像や演出といった部分がイマイチな印象なので、ちょっとB級の佳作と言うよりは『B-(マイナス)程度の出来』になってしまっているかなぁ…って感じてしまうのは残念なところ。

 まあ出来の悪い作品では無いので、オカルトサスペンス系の映画が好きな人ならば、そこそこ普通に楽しめる内容だと思いますので、『その手の映画が好きならばお好みでどうぞ』って言った感じの作品って所でしょうか…