■■■「ファイナル・デス・ゲーム」■■■
(45点/オカルト)
アメリカ人の大学生のジェイソンは、スペインに留学中にとある裏通りの骨董品屋で不気味な店主から『マンバ』という奇妙な古びたボードゲームを譲り受ける。
そのボードゲームが『ゲームに勝利した者はなんでも願いがかなう』という魔法のボードゲームだと知った彼は、ビーチで知り合ったエリカという女性と仲間たちを誘ってパーティでボードゲームをやる事となるが…
そのボードゲームには、実は15世紀にスペインで異端審問の末に惨殺された一人の魔女の怨念がこめられており、敗者にはゲームで記された『死のペナルティ』が現実のものとなるという恐るべき呪いがかけられていたのだった。
『呪いのボードゲーム』をプレイした若者達がゲームで示された予言の通りに死んでいくという、オカルトホラー映画。
以前に「ファイナル・デッド・ゲーム」って言う、「ファイナル・デッド・~~」シリーズのタイトルをパクった『呪いのボードゲーム』の映画がありましたが、またそれはと別の作品なのですが…
まあ、当然ながらコチラも本家の「ファイナル・デッド・~~」シリーズとは何の関係も無い作品です。
映画の内容に関しては、簡単に言えば『ホラー版「ジュマンジ」』みたいなお話ですね。
勝者は『願いが1つ叶う』んだけど、敗者は呪いによって『ゲームで示された通りの死が訪れる』といった感じの設定。
カードに記されてる『死の予言』の内容がなかなか面白くて、『崖から転落して動けなくなったところを生きたままカニに食われる』とか『毒蛇の大群に襲われる』とか、いろいろと凝ったパターンの死に方を準備していたり、全体的にホラー好きな監督が作った丁寧さの感じられる作品ではあるのですが…
うーん上手く言えないんですが、何と言うか全体的にイマイチ感が漂う作品なんですよね。
『アイデア自体は面白い』と思いますし『死に方のシチュエーション』とかにも凝っており、B級ホラーとしては良く出来てる類だと思うのですが…
物凄く残念な事に『ビジュアル面が非常に弱い』んですよね。
元々がTV映画か何かだと思うので、予算的に厳しい面があるのかもしれませんが、アイデアの割に『残虐シーン』がアッサリとしすぎてて物凄く物足りないのですよ。
せっかく良いアイデアがあるのだから、もっと「ファイナル・デッド・~~」シリーズのようにジワジワと恐怖シーンを盛り上げるか、サディスティックにネチネチと残虐シーンを描くかしていれば、もっと面白くなったと思うのになぁ…
もしコレを同じ設定で、残虐シーンだけダリオ・アルジェントとかの変態趣味の監督に撮らせれば結構凄い映画になりそうな気がするので、何と言うか非常に惜しいところ。
ストーリーに関してはありがちって言えばありがちな感じで、キャラはそこそこ立ってますし、序盤から景気よく登場人物が死にまくるのでテンポは良いのですが、中盤で妙にロマンスっぽい要素があったりするのが、ちょと中だるみを感じるのは難点かも?
ラストも、ちょっと『ホラーらしくない』釈然としない終わり方で、もうちょっとオチにインパクトが欲しかった。
総評としましては、全体的に良く出来てはいるのですが、どこを取っても『今ひとつの物足りなさを感じる』という、なんとも惜しい作品です。
アイデアやストーリーは悪くないので、もっと『ビジュアル的』もしくは『演出的』なインパクトがあれば、良い作品に仕上がったんじゃないかと思うので、非常に残念なところ。
ただまあ、B級ホラーとしては致命的に悪い部分も無い作品(まあ、全体的に微妙に退屈な点を除けばですが…)ですので、『呪いのボードゲーム』って設定に興味があって気になってる人であれば、観ておいても損は無い作品でしょう。