NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パニック・スカイ」(45点/パニック)

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■■■「パニック・スカイ」■■■
(45点/パニック)

 新米パイロットのサラは、ある日、レンタルしたセスナにバンドの友達を乗せてモントリオールに向けてフライトする事になる

 しかしフライト開始から30分後に何らかのトラブルにより機体の舵が故障、上昇を止めることが出来なくなった機体は高度6000mの上空で、真っ黒い雷雲の中へと飛び込んでしまう。

 制御不能の飛行機の機内でパニックに陥る彼らだったが、そんな彼らに追い討ちをかけるかのように、雷雲の中から得体の知れない生物の影が姿を現し…



 事故で制御不能になった飛行機が暗雲の中で得体の知れない怪物に襲われるという、モンスターパニック映画。

 『暗雲の中から触手のような得体の知れない怪物が襲ってくる』というと、S・キングの「霧」(ザ・ミスト)の飛行機版みたいなイメージを受けますが、実際にはそういうノリではなくてパニック映画とかサスペンス映画というノリの方が近い作品ですね。

 ストーリーも、本編の半分以上は『飛行機内での主人公たちの人間ドラマを中心にしたパニック心理劇』というノリのシーンが多くて、モンスターものとして期待すると肩透かしを食らわされちゃうかも?

 ちなみにパッケージでは、何故か自由の女神に触手が巻きついているイラスト』が描かれてますが、当然ながら本編にはそんなシーンは一切ありません。(というか、高度6000mに自由の女神も無いもんだろう…)

 お話の方は先ほども触れたとおり、どちらかというと危機的な閉鎖環境下での『心理劇』が中心の構成で、パニックに加えて主人公たちの人間関係や過去が語られたりとか…そんな感じの展開。

 ツマんない訳では無いのですが、主人公たちのキャラクターにそこまで魅力がある訳でも無いので、正直言ってちょっと盛り上がりに欠けます。
 唐突に人間関係を語りだすようなシーンも多くて、どうにも過剰に『説明的な印象』を受けてしまうのも辛いところですね…

 モンスターに関しては、ぶっちゃけ殆ど出番が無いので『味付け』程度の存在という印象です。
 この『モンスターの正体』については、なかなか面白い設定ではあると思うのですが、流石に設定が『ちょっと強引すぎるかなぁ?』と思わなくも無い部分も…

 オチもちょっと説明不足で『想像にお任せします』的な終わり方になっているのですが、個人的にはもうちょっとキチンと描いて欲しかったかなぁ?


 総評としましては、ツマんない訳ではないのですが全体的に『なんとも物足りなさの残る映画』といった感じの作品ですね。

 『パニックホラーやモンスター映画のノリを期待していたのに…』って部分で肩透かしを食らわされたのもあるのですが、サスペンスならサスペンスでもうちょっとシッカリとストーリーを作りこんで欲しかった。

 イデア自体は悪くない作品だと思いますし、一発ネタ的な映画が好きな人であればそれなりに楽しめるかもしれませんので、サスペンス系の『変わったネタの映画』が観たいという人であれば、チェックしてみても良い一本かもしれません。