■■■「ゾンビパーク」■■■
(55点/モンスター)
バーティカル・トリニティという更生キャンプに向かう6人の問題児の高校生たちを乗せたバスが、山間のキャンプ施設に向かう途中で嵐に巻き込まれて山道で事故を起こしてしまう。
人里離れた場所で途方にくれる彼らは、事故現場の近くに寂れたトレーラーパークを発見。
住人に助けを求めようとトレーラーパークを訪れた彼らは、ノーマと名乗る一人の女性と出会う。
彼女の不審な態度に不気味なものを感じつつもトレーラーパークで一夜を過ごす事となった彼らだったが、その場所はかつて住民が皆殺しにされる大虐殺が発生し、その呪いによって生ける屍となった死者たちがさまよい続ける恐るべき場所だったのだ…
更生キャンプに向かう途中の6人の問題児たちが『ゾンビの徘徊する呪われたトレーラーパーク』に迷い込むという、オカルト風味のモンスターパニック映画。
パッケージを見ると何か「ゾンビランド」のパクリっぽいイメージですが、「パーク」と言ってもトレーラーハウスの並ぶトレーラーパーク(駐車場)の事なので、別にゾンビの大量に出現するテーマパークの出てくるようなお話ではありません。
(ちなみに原題は「TRAILERPARK OF TERROR」(トレイラーパークの恐怖)。)
本編としては、ゾンビものでもいわゆる『感染型』のタイプではなく『呪われた土地』にまつわるようなタイプで、ちょっとオカルト要素が強めの印象。
パッケージだけ見るとコメディっぽい感じなんですが、まあ確かにブラックなコメディではあるんですが、お話の内容はむしろ暗めな感じ…
本編の『真の主人公』的な位置づけで『ゾンビのリーダー的存在』のノーマって女性が居るのですが、この人の過去のエピソードとか余りにも悲惨すぎてちょっと鬱が入るレベルです。
ノリ的には結構グロが強めで、ちょっとエゲつない感じ。
ストーリー設定の暗さも合わせて、良い意味でも悪い意味でも『嫌ぁーな気分』にさせてくれます。
全体的にブラックユーモアはあるんだけど『救いの無い話』なので、人によってはちょっと受け付け難いタイプの内容かも?
ただ、主人公やゾンビのキャラたちにもシッカリと個性が付けられていて、キャラクターが分かりやすく観ていて単純に楽しみやすいのは良いですね。
ただキャラに『個性がありすぎる』割には意外と出番が無くて、『えっ、それで終わり?』的なシーンも多いのはちょっと残念なところ。
(デブのオバサンゾンビとか、もうちょっと見せ場があっても良かった気が…)
あと、住人ゾンビは全員『ゾンビ』なのでキャラの見分けがちょっと付き難いのは難点か?(笑)
しかし、基本的に『救いの無い話』なのでオチは『どう付けるんだろう?』と思いきや、ラストは滅茶苦茶キレイなオチでちょっとビックリしました。
この暗い設定でラストでしっかりと『救いがある』のは、個人的に非常に高評価でしたよ。
総評としましては、色んな意味でかなり『濃い目』というか『重めのゾンビ映画』ですね。
「ゾンビランド」みたいなバカっぽいノリを期待してると肩透かしを食らわされるかもしれませんが、ちょっと鬱が入るような『エグい感じの作品』がOKな人であればなかなか楽しめる作品だと思います。
B級らしい『良くも悪くもパワフルな作品』ですので、なんとなく『嫌ぁーな気分』になれる作品とかが嫌いじゃなければ、観ておいても損は無い一本ではないかと…