NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・ライト エクソシストの真実」(60点/オカルト)

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■■■「ザ・ライト エクソシストの真実」■■■
(60点/オカルト)

 父と共に葬儀屋を営む青年・マイケルは、地元を離れたかった事から家業を継ぐためと理由を付けて神学校に通う事となる。

 やがて4年間の学園生活を経て学位を取得した彼は、その才能を見込まれてエクソシストになる事を薦められローマへと赴くが、そこでエクソシストに付いて学び、ベテランの神父と共に悪魔祓いの実践を重ねていくうちに、悪魔祓いにまつわる驚くべき真実を目の当たりにしていくのだった…



 エクソシストの見習いとなった一人の青年が、その活動を通じて驚くべき真実を目の当たりにして行くという、オカルトホラー映画。

 本作はいわゆる『実話をベースとしたフィクション』というタイプのお話で、実際のエクソシストの活動を元に物語が作られているらしいのですが…

 何が一番驚いたって、本作の中でバチカンでの『エクソシストの育成教育』のシーンが何度か出てくるのですが、その教育の様子ですね。

 巨大スクリーンやハイテク設備の整った講堂での講義や、体系化され理論家されたカリキュラムが組まれての学習やらが行われている様子が描かれており、この作品がホントに事実に基づいているならメチャメチャ先進的な教育が行われているのですな…

 エクソシストの教育というと、もっと古色蒼然とした秘密主義的なものを想像していたので、まずはこの部分でビックリしましたよ。

 そういうマメ知識的な部分はさておき肝心の本編に関してですが、こちらもなかなか良くできております。

 悪魔の実在に疑問を持つ主人公』の視点から物語が展開していき、サスペンス仕立てでエクソシストの実態とは…』という謎の核心に迫る展開で興味を引きつつ、中盤以降の盛り上がる展開へとお話を繋いでいく構成はなかなか上手い。

 この構成のお陰で作品のテンポも良くて、2時間弱とホラー映画としては少し尺の長めの作品なのですが、全く退屈することなくお話を楽しめました。

 ただ『実話ベース』という部分もあって当然ながらあまり派手な展開は無く、中盤以降はちょっと物足りなさを感じる部分もあるものの、もう一人の主人公であるアンソニー・ホプキンスの怪演のお陰で、そこそこ迫力のある感じに仕上がっているのは良い感じですね。

 ややネタバレになってしまいますが、終盤の展開も思いのほかに熱いですし、ラストのまさにカタルシス溢れる展開』もなかなかに良かったです。

 まあ欲を言えば、前述のとおり全体的に『派手さ』に欠ける部分はあるので、もうちょっとビジュアル的にも盛り上がるようなシーンがあれば良かったかなぁ…っていう部分もありますし、そもそも『この内容がホントに実話ベースなのかよ?』というツッコミはありますが、それを差し引いても素直に面白いと思えるような作品でしたよ。


 総評としましては、派手さに欠ける部分はあるものの全体的に面白く、総じてソツの無い『良く出来たオカルト映画』だと言えるでしょう。

 いわゆるエクソシストものが好きでオカルト(宗教)系の内容に興味があれば、間違いなく観ておいて損は無い作品だと思いますし、サスペンス系のお話が好きな人でもそれなりに楽しめる内容ではないかと…

 単純な雰囲気映画ではなくエクソシストとは何か』というのを割と理詰めで説明してくれているような内容で、他のエクソシスト映画とは少しベクトルが異なる面白い作りですので、オカルト好きであれば単純に『そういった知識を得る作品』として観てみても良いかもしれませんよ。