NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エクソシズム」(45点/オカルト)

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■■■「エクソシズム」■■■
(45点/オカルト)

 15歳の少女・エマは、ある日唐突に白目を剥いて全身が痙攣(けいれん)に襲われるという発作を発症する。

 病院での精密検査の結果、彼女の身体にはどこにも異常がないと認められるが、彼女の肉体には幻聴や幻覚、意識を喪失し記憶にない行動を取っているという事態が引き続いて発生。

 彼女は以前に友人とふざけて『悪魔召喚ごっこ』を行った事があるため、自身に『悪魔が取り憑いているのではないか』と疑いを抱くようになり、神父である叔父のクリスに悪魔祓いをして欲しいと願うが、彼には『悪魔祓いの最中に一人の少女を死なせてしまった』という過去があり…



 一人の少女の一人の神父を巡る悪魔祓い事件の顛末を描いた、スペイン製のオカルトホラー映画。

 POV(主観視点)タイプの佳作ゾンビ映画であるREC/レック」を撮ったフリオ・フェルナンデス監督の製作による作品なのですが、別に本作はPOVという形式では無くサスペンス風味の強いオカルト映画って感じですね。

 全体的に非常にサスペンス要素が強めの作品で、序盤は『本当に悪魔は存在するのか?』みたいな感じのサイコホラーっぽくお話が進んでいくのですが、途中からヒロインの身体が勝手に宙に浮いたりとか『間違いなく悪魔の仕業だろ』って感じの展開にアッサリと突入。

 序盤の前振りはいったいなんだったのかと思わせるのですが、中盤以降にこの『前振り』がちょっと生きてくるようなサスペンス展開が仕込まれているって構成は、なかなか上手いと思いました。
 (まあそれでも、ちょっと無駄の多い構成だとは思いますけどね。)

 また中盤以降もお話が終始二転三転していくような構成で、一筋縄でいかないストーリー展開なのは面白いですね。

 ただサスペンスを中心にストーリーが進むため、肝心の『悪魔祓い』のシーンもそこまでシッカリとは描かれずに、派手な展開に乏しくて見所が少ないという『やや退屈な作り』なのは辛いところ。

 盛り上がる要素があまり無くて淡々とお話が進むせいで、どうにも途中でダレてしまいます。

 ネタバレになってしまいますが、終盤のあまりにも救いの無い展開も流石に『いかがなものか?』と言う感じで、観ててテンションが下がる要素が多いのは何だかなぁ。

 というかエクソシズム」ってタイトルが付いてるのに、悪魔祓いが添え物的なな扱いになっている印象なので、もうちょっと主題としても作品のアクセントとしても『悪魔祓い』のシーンはシッカリと描いた方が良かった気が…


 総評としましては、ストーリーとかは面白いって言えば面白いんだけど、何と言うか『コレジャナイ感がある』というか微妙な印象を受ける作品です。

 全体的に地味な映画なので『意外性』という要素が『地味さ』で相殺されてしまっている感があるのが辛いところですねぇ…

 オカルトというよりは『オカルト風味のサスペンス映画』って感じの作品なので、普通のエクソシストものを期待してるとちょっと肩透かしを食らうかもしれませんが、逆にちょっと毛色の違ったノリの作品を求めているならば、割と楽しめる作品ではないかと思いますよ。