■■■「アルティメット・プレデター」■■■
(55点/モンスター)
アイルランドに引っ越す事になったケイトは、引っ越しの記念に6人の仲間と一緒にキャンピングカーで現地へと旅行に出る事になる。
しかし、不気味な寂れた寒村に立ち寄った際にトラブルから占い師の老婆を死なせてしまう。
老婆は死ぬ直前に『シムロックの呪いを受けるが良い』という謎の言葉を残すが、果たして老婆の言葉通りに正体不明の『怪鳥』が出現。
呪いによって現れた怪鳥はどこまでも彼らを追い続け、混乱し道に迷った彼らは一人づつ怪鳥の犠牲になっていくのだった…
ジプシーの老婆を轢き殺してしまった若者たちが呪いによって伝説の『ロック鳥』に命を狙われるという、モンスターホラー映画。
いわゆる巨大生物もののモンスター映画なのですが、若者たちが『ジプシーの呪いのせいでモンスターに命を狙われる』という「スペル」とか「痩せゆく男」みたいな設定の作品ですね。
本作に登場する怪物は、いわゆるシンドバットの伝説に登場する「ロック鳥(シムロック)」という設定で、個人的にロック鳥と言えば『象を連れ去るほどデカい』というイメージなのですが、本作のロック鳥はせいぜい翼長が6~7m程度のサイズのこじんまりしたサイズで、イメージ的にはちょっと物足りない感じ。
デザイン的には『ハゲワシとトカゲを合わせたような感じ』で、恐竜から進化した原始的な鳥っぽい感じで、まあ悪くは無い印象です。
ただ、鳥だけに『上空からのヒットアンドアウェイ』が基本の戦法なので、人間との絡みが薄くてシッカリとした見せ場があまり無いのは残念なところ。
お話の流れとしては、主人公たちが『ちょっとキチ●イっぽい地元住民』とトラブルを起こしたのが原因で『ロック鳥』と『頭のおかしい地元民』に命を狙われるという設定です。
ストーリー自体は割と良く出来ており、繰り返される『ロック鳥の襲撃』と『地元住民の追跡』という2段構えの構成のおかげで、『助かったと思ったらやっぱりピンチ』みたいな流れで中だるみせずに観れるのは良いですね。
ただ、むしろお話のノリ的には『凶暴なだけのロック鳥よりも執拗に主人公たちを付けまわす地元民の方が不気味で怖いわ…』って感じで、モンスターホラーという印象はあまり強くなくなっているのは痛し痒しといったところ。
あと、主人公たちのキャラ立てはそこまで上手くは無いものの、終盤の『告白大会』の流れとかはなかなか印象に残る感じで面白かったです。
また若干のネタバレになりますが、本作は主人公たちが地元住民の持つ『ロック鳥避けのお守り』を盗んだせいで地元民から追い掛け回されるという設定なのですが…
この『ロック鳥避けのお守り』って一個しかなくて、どうみても『一人にしか効果が無い』みたいなのに、『地元民は普段からロック鳥に食われまくったりしてないんだろうか?』という疑問を抱いたのは、自分だけですかね?
総評としましては、良作って程ではないですが駄作と斬って捨てるほど酷くもない、いわゆる『それなりに観れるレベルのモンスター映画』って感じの作品ですね。
敢えてオススメするほどのインパクトは無いですが、観てみて時間を損したと思うほど酷い程の内容でもないので、普通にモンスター映画が好きな人であれば暇つぶし程度には観てみても良いかもしれません。
もうちょっと予算があって映像に迫力があれば、そこそこ面白い作品になったのでは無いかと思うので、そういう意味では少し残念な感じの一本ではありました。