NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・アイス THE ICE」(40点/モンスター)

イメージ 1

■■■「ザ・アイス THE ICE」■■■
(40点/モンスター)

 アラスカの北極圏にある世界最北のダイヤモンド鉱山で、採掘作業中に地底に巨大な空洞が発見される。
 作業員たちが空洞を調査しようとしたところ、空洞の内部から巨大なトカゲのような生物が出現、作業員たちを次々と襲い始める。

 長距離トラックの運転手のジャックは同僚のニール、環境調査官のレイチェルと共にダイヤモンド鉱山に爆薬を運ぶ事となるが、鉱山に到着した彼らは大量のバラバラの死体を発見。

 生き残りの作業員からイヌイットに伝わる伝説の怪物『ウェンチュ』が出現したと聞かされるが、果たして彼らの前に巨大なトカゲのような怪物が姿を現し…



 極寒のアラスカの地底から出現した巨大なトカゲのような生物が人間を襲うという、モンスターホラー映画。

 何と言うか、上の行で書いたストーリーそのまんまの『非常に凡庸なタイプの低予算モンスター映画』ですな。

 怪物は『アラスカの地底で冬眠していた恐竜の生き残り』という設定のようですが、数十年おきに目を覚まして人間を襲って再び冬眠するという生態は、多少の無理はあれどそれなりに説得力はある感じ…
 でも恐竜の仲間なのに、凍結した極寒の川の中を泳ぎまわったり雪山を平気で走り回ったりするのは流石に無理があるかも?(というか、そんな寒い場所じゃそもそも冬眠から目を覚まさないだろうし…)

 怪物の見た目は単なる『巨大トカゲ』にしか見えないのであまり面白味は無いですが、CGそのものの質は低くないので映像的にはそこそこ見れるビジュアルにはなっています。
 ただ予算の問題からか人間との絡みのシーンが殆どが役者の一人芝居になってしまっており、襲撃シーンに全くと言って良いほど見応えが無いのは辛いところですね。

 お話の流れとしては、鉱山で怪物に出会った主人公たちがトラックで怪物からひたすら逃げるという展開なのですが、『大量の爆薬を積んで雪道をトラックで逃走する』という設定から「恐怖の報酬」みたいな流れにでもなるのかと思いきや、途中まではそういうノリもあるもののトラックを中盤で早々に放棄してしまい、その後は単なる立てこもりタイプのモンスター映画になってしまったのは残念でした。

 怪物の退治の仕方もやけにアッサリしてて、全体的にモンスター映画としては盛り上がりに欠けるんだよなぁ。

 また、主人公たちのキャラクターはなかなか良い味を出していると思うのですが、主人公とヒロインが恋愛関係になる流れが唐突すぎてちょっと無理があるかな?
 それを踏まえたオチの流れも悪くは無いのですが、それなら最初から主人公とヒロインをある程度の顔なじみとかって設定にしておけば、もっと無理のないストーリーになったんじゃないかと思うのですが…


 総評としましては、酷い出来では無いのですが全体的に盛り上がりに欠ける『微妙な感じのモンスター映画』ってレベルの作品ですね。

 ストーリーとかキャラの立て方とか悪くない部分もあるのですが、だからといって総合的に『敢えて見る価値がある程の映画か?』と言われると、なんとも厳しいところです。

 まあ、楽しめないレベルでは無いので『TVとか衛星放送とかで放映されたら暇つぶしに観てみても良いかも?』って感じで覚えておけば良い程度の一本ではないかと思いますよ。