NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「タイム・パニック」(55点/モンスター)

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■■■「タイム・パニック」■■■
(55点/モンスター)

 アメリカの田舎町で保安官ジェイクは、地元大学の土地の買収に反対する反対派の住民と大学のオーナーとの対立による抗議活動に手を焼かされていた。

 行き過ぎた抗議活動によって留置所に入れられた大学建設の反対派のリーダーであるダコタは腹いせに大学の博物館へと侵入するが、そこで地元民に古くから伝わる古文書に書かれた『精霊召喚の儀式』の方法を発見する。

 彼は精霊の力を借りて大学側の妨害をしようと博物館で儀式を実践するが、果たして彼の儀式によって古代の精霊が出現。

 精霊は博物館に展示されていた『恐竜の化石』に乗り移って生きているかのように動き出すが、彼の思惑とは異なり住民たちを無差別に襲いだし…



 ネイティブアメリカンの太古の精霊が乗り移った『恐竜の化石』が生きているかのように動いて人間を襲うという、モンスターパニック映画。

 『恐竜が復活して人間を襲う』というパターンはパニック映画としてはありがちですが、本作はなんと『化石の恐竜がそのまま動いて人間を襲う』という無茶苦茶な設定の作品です。

 コメディ映画である「ナイトミュージアム」辺りから着想を得たのかもしれませんが、その一発ネタとしか言いようがない内容を一本の映画として作り上げてしまう勢いだけは割と凄いかも?

 『化石のティラノサウルスが大暴れする』という設定は『そんなアホな』としか言いようが無いような無茶っぷりですが、お話そのものは割りとシッカリと作られていて意外と普通に観れるレベルという印象。

 化石が勝手に動き出すという設定も、ネイティブアメリカンの太古の精霊が乗り移った』というのであれば『まあアリかな?』と思わせられてしまいますし、作りとしてはなかなか上手いですね。

 恐竜の化石はCGで描かれているのですが、低予算の割にはそれなりのレベルに仕上がっており、CGながらも人間との絡みのシーンが意外と多くて見せ場が結構あるのは良いところです。

 またモンスターが『化石』だけに、爆発とかでバラバラにされてもくっ付いて再生してしまうという設定もなかなか面白くて、ティラノサウルスプテラノドンの化石を同時にフッ飛ばしたら『合体して羽の生えたティラノサウルスになった』って展開は、ちょっと笑ってしまいましたよ。

 登場人物のキャラクターなんかも割りと良く立っており、ストーリー展開はノリが軽すぎるきらいはあるものの、まあ悪くない印象。
 ただ、中盤で無関係な町の住民やらが何十人も殺されまくっているのに、ラストの『爽やか過ぎるオチ』はソレでホントに良いのかと…

 ただ『太古の精霊』の超自然的なパワーのお陰で化石が動くのはともかくとしても、プテラノドンの化石が『骨組みだけなのに空を飛べる』のは流石に無理がありすぎだろと思ったのは自分だけですかね?


 総評としましては、設定もアバウトで『そんなアホな!』というお話ながらも『意外とそこそこ楽しめるレベルのモンスターパニック映画』といった感じでしょうか?

 まあ低予算のTV映画ですし設定も無茶ぶりも良いところなのでアクマで『そこそこ』レベルではありますが、暇つぶし程度に観るなら良いレベルの作品かもしれません。

 敢えて推すほどの要素も無い作品なので『どうしても気になる』という人以外にはオススメする事もしませんが、観て後悔するようなレベルでも無いので半額レンタルとかで気が向いたらどうぞ』って感じの一本と言えるでしょう。