■■■「シン・感染恐竜」■■■
(5点/モンスター)
近未来、人類は最新の科学技術でティラノサウルス・レックスを復活させることに成功するが、過激な生物愛護団体が建物に侵入し施設を破壊してしまった事からロサンゼルスの街にティラノサウルスが解き放たれてしまう。
更にこのティラノサウルスは、エボラ出血熱の治療薬の開発のためエボラに感染していた事から、恐竜&感染症の脅威に晒された街は『ジュラシック・ロックダウン』が発令され、厳戒態勢が敷かれる事となる。
米軍と賞金稼ぎはエボラレックスを何とか退治しようとして行動を開始するが、そんな最中、営業マンのエリックはエボラを警戒する陰謀論者の同居人のマイクによって地下室に監禁されてしまい…
遺伝子操作で現代に蘇ったうえに研究のためにエボラ出血熱に感染させられたティラノサウルスが、研究所から脱走しロサンゼルスの街をパニックに陥れる…という、モンスターパニック映画。
Z級映画の配給でお馴染みのコンマビジョンによる新作で、クソ映画である「サメデター」のダスティン・ファーガソン監督の最新作という事で色々とお察しな感じの映画なのですが…
覚悟完了して鑑賞したのに、下がり切ったハードルの更に斜め下の地面をえぐっていくような怪作でしたよ。
自分はクソ映画は割と好きな方なのですが、流石にこれはちょっと限度を超えています。
同じ監督でも、「サメデター」はまだストーリーの意味が分かったので観れる内容だったのですが、こちらはグテグテすぎて意味とか何を描きたいのかがサッパリ分からない内容で、観ていてひたすら苦痛というか虚無感しか味わえないような作品という印象。
ティラノサウルスのCGが恐ろしくショボくて『取って付けたような合成映像』なんてのは序の口で、そもそもタイトルにもなってるティラノサウルスの出番が物凄く少ないのに加えて、ティラノサウルス関連のエピソードに関しても『まったく恐竜と戦わない米軍』とか『自撮りカメラに向かって延々と喋り続けているだけの賞金稼ぎ』とかの映像を延々と見せられているだけで、ビックリするほど退屈です。
更に加えて、お話の半分ぐらいはティラノサウルスとか関係なくて『陰謀論者でサイコパスの男が同居人を地下室に監禁してるシーン』が描かれるだけという有様で、その内容も『小汚いオッサン同士が顔を突き合わせて会話しているだけ』のシーンが大半。
このシーンの絵面が物凄い見苦しくて、とにかく見続ける事が苦痛以外の何物でも無いのが困りもの。(監禁シーンをダラダラ見せるなら、せめて水着とか下着のお姉ちゃんでも監禁してくれれば…)
加えて意味が分からないのは、監禁された主人公の恋人が『恐竜学者』という設定があるのですが、この設定が何かお話に活かされるのかと思いきや、事件の解決に全く活かされないという謎の構成。
ラストもティラノサウルスは倒される事なく野放しのままですし、監禁された主人公の側も何の解決もしないままの唐突な投げっぱなしエンドで、マジで何が描きたいのか全く意味が分かりませんでしたよ。
ちなみに『ティラノサウルスがエボラに感染している』という設定はあるものの、その設定に関しても作中では活かされる事は殆ど無くて(一応『エボラの影響で環境が破壊されてる』みたいなセリフがちょっとだけ出てくる)、そもそも『ティラノサウルスに噛まれた人はエボラとか関係なく死ぬだろ』っていう意味で、相性の悪すぎる組み合わせとしか言いようが無いのではないかと…
ちなみに唯一の救いは、作品の長さが70分しかないうえにスタッフロールが10分ぐらいあるので『我慢の限界が来る前に映画が終わってくれる』という事かなぁ?
(そういや「サメデター」の時もスタッフロールが10分ぐらいあったけど、この製作会社の特徴なのかしらん?)
■映画感想:「サメデター」(10点/生物パニック)
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/2022/01/16/024554
総評としましては、『とてつもなく退屈なうえに何が言いたいのか意味が分からない恐竜ものモンスターパニック映画』という感じの作品ですね。
ツマンないとかそういうレベルを超えて、『自分の我慢の限界を試したい』という物好き以外は観ない事をオススメしておきます。
流石にクソ映画にも限度があって、サブスクリプション系のサイトで配信されて実質無料で観れたとしてもオススメできないレベルですので、『ネタ映画』として我慢大会に利用する等の目的でなければ、普通にスルーしてしまった方が心穏やかに過ごせる一本だと思いますよ。
(とりあえず自分は『この監督の作品はもうチェックしない!!』という脳内リストに加える事としました…)