■■■「蛾人間モスマン」■■■
(50点/モンスター)
ウェストバージニアのポイントプレザントで暮らすキャサリンたちは、学生時代に湖にキャンプに来た際に、友人たちと酒を飲んで悪ふざけをしていたことろ、誤って友人の一人の弟であるジェイミーを水死させてしまう。
彼らは自分たちの不始末を隠ぺいするために、事件が不慮の事故であるように隠ぺい工作を行う。
それから10年後、雑誌のライターになったキャサリンは地元で行われる『モスマン祭り』を取材するためにポイントプレザントの町を再び訪れる事となるが、偶然にもそこでかつてに旧友と再会する。
しかしその祭りの夜から、かつてのジェイミーの死に関わった友人たちが次々と不可解な変死を遂げるという事件が発生。
彼女は事件に伝説のモスマンが関わっているのでは無いかと疑いを抱くようになるが…
都市伝説であるUMAのモスマンが現れて、かつて殺人を犯した若者たちの命を狙うというモンスターホラー映画。
70年代だかにポイントプレザントの町で目撃された謎の怪人『モスマン』が人間を襲うというモンスター映画ですね。
モスマンはUMAとカテゴリされているものの未だにその正体はハッキリしておらず、一説には宇宙人では無いか等と言われておりますが、本作では『過去に殺されたネイティブアメリカンの呪術師が呼び出した悪霊』みたいな設定になっており、オカルト的なモンスターになっている感じ。
この悪霊が『殺人を犯した人間を追い詰めて復讐する』というような感じの展開で、悪霊だけに殆ど不死身だったり神出鬼没で鏡の中から現れたり出来るって設定は、なかなか面白いです。
ストーリー自体は極めてオーソドックスで、かつて罪を犯した若者たちが10年後にモスマンに命を狙われるという感じのお話で、『モスマンの正体とは何なのか』という謎解きパートを中心にお話が展開していきます。
お話の展開はテンポも良くて悪くは無いですし、モスマンの出番や襲撃シーンも割と多いのですが、モスマンがCGで描かれている事もあってか人間との直接の絡みが少なくて、襲われる人間の一人芝居っぽいシーンが殆どなのは残念なところ。
また襲撃方法もやや単調で、今ひとつ面白みに欠けるんですよねぇ。
せっかくの『鏡の中を移動できる』って設定も今ひとつ活かされていないですし…
あと、モスマンのデザインは仮面ライダーとかの怪人風でカッコ良いのですが、出来ればオリジナルの『目撃情報を元に描かれたイラスト』みたいな意味不明の姿の方がインパクトがあったんじゃないかと思います。(どうせCGで作るなら、人間っぽい姿にする必要も無いんだし。)
また、お話も中盤まではそこそこ面白いのですが、ラストの展開はちょっと強引すぎて意味不明だったかなぁ?
パニック映画的な盛り上がるシーンを入れたかったのは判るのですが、終盤のカーニバル会場をモスマンが襲撃するシーンの流れが全く理解できなかったのは自分だけですかね?
ラストもちょっとアッサリしすぎなので、もうちょっと盛り上げても良かったと思う。
総評としましては、全体的には悪くは無いのですが『いまひとつ物足りなさを感じてしまうモンスター映画』といった感じですね。
ツマんなくは無いんですけど面白いかと言われるとちょっと微妙な感じで、どうにも食い足りない印象を抱いてしまう作品でした。
まあモンスター映画が好きであれば、それなりに楽しめる映画だとは思いますので、「モスマン」という設定に興味があって気になっているのであれば、チェックしておいても損は無い程度の1本ではないかと思います。