■■■「キラー・マウンテン」■■■
(45点/アドベンチャー)
人類未登頂の山の中で最高峰であるヒマラヤ山脈のガンカー・プンスムで、大富豪のバートンの派遣した登山隊が遭難。
世界的な登山家だが3年前の事故で引退していたワードは、自分の恋人のケイトがこの探検に参加していた事を知らされ救助隊へと加わる事となる。
現地付近へとヘリで到着した彼らは嵐の接近の前に急いで救助に向かう事となるが、そこには大自然の驚異の他に探検隊を襲った『正体不明の怪物』が待ち受けていたのだった…
人跡未踏の山に挑む探検隊を正体不明の怪物が襲うという、モンスターパニックもの風味の冒険映画。
いやまあ、何といいますか良くも悪くも『思いっきりB級だなぁ…』って感じの冒険映画ですね。
最初は、大富豪の雇った人跡未踏の最高峰を目指す探検家たちが遭難し、それを助ける為に救助に向かった救助隊が大自然の驚異に晒されつつも目的地を目指すといった感じのストーリーなのですが…
それに加えて、探検隊を襲った『謎の怪物』が出没したり、大富豪の本当の狙いがヒマラヤに伝わる聖地『シャンバラ』を探す事だったり、その情報を狙って某国(?)の特殊部隊が妨害をしてきたりと、『思いついた設定を片っ端から詰め込んだんじゃないか?』と言いたくなるような感じのお話です。
(というかPS3のゲームである「アンチャーテッド2」の設定を思いっきりパクってるような気がするのは自分だけ?)
色々と設定を詰め込むのは良いのですが、なんと言うか映画の尺に対して詰め込みすぎな印象。
序盤の登山のシーンのサスペンス的な緊張感も弱いですし、怪物もあんまり出番が無くて今ひとつ影が薄い感じ。
シャンバラも大層な設定の割にはホントにチラっとしか出てこないですし、全体的にアッサリしすぎで個々の印象が物凄く薄いので、たかだか90分程度の映画にここまで色々と詰め込む必要があったのかと…
ただTV映画(だと思う)としては割と予算はかかっている感じで、特撮やらアクションシーンやらの見た目はそこそこ良い感じ。
また色々と詰め込んでいるお陰で作品のテンポとかは非常に良くて途中でダレたりする事も無いんだけど、やはり全体的に盛り上がりに欠けるのが辛いですね。
最後も矢鱈とアッサリしてるし、どうにも設定としてのスケールのデカさの割にはカタルシスが薄いです。
というか、ラストはベースキャンプをフッ飛ばす事でデカい怪物を倒して『めでたしめでたし』みたいな感じで終わるんだけど、いやいやお前らその場所って高度6000mのベースキャンプじゃ無かったか?
その後、どうやって地上まで帰るつもりなんだよ…
総評としましては、全体的にそこまで悪くは無いんですが、どうにも『地味でパッとしない印象のB級冒険映画』って感じの作品ですね。
本作の最も大きな問題点を挙げるとすれば、タイトルやパッケージから内容が全く想像できないので、どういったジャンルが好きな人にアピールしたいのかが良く分からない事かなぁ…
(「キラー・マウンテン」とかってタイトルだから、もっとホラー寄りの映画かと思ってた。)
まあそれなりに見れる映画ではありますので、その手の映画が好きであれば衛星とかケーブルTVとかで放映された時にでも見てみる分には、悪くないレベルの1本だと思いますよ。