（４０点／サスペンス）
趣味で都市伝説の調査を行っている高校生のクリスチャンと妹のジュリーは、休暇で母の田舎にあたるガラフ郡のシッチェスという場所にある別荘に行く事となったことから、その地方の都市伝説の調査を開始する。
森に出没する『赤い服の少女の亡霊』のウワサを聞いた彼らは、その正体を探るためにビデオでの撮影を行うが、撮影を行っている最中に彼らの愛犬が何者かに惨殺されるという事件が発生し…
別荘に行った一家を襲った『謎の惨劇』を記録したテープを元に再編集されたという設定の、スペイン製のPOV形式のサスペンスホラー映画。
「ブレアウィッチ～」とか、最近では「パラノーマル・アクティビティ」とかで流行のPOV（主観映像）形式のホラーって奴ですが、他の作品のように『怪異を撮る事』が目的ではなく『たまたま衝撃映像が撮れてしまった』という感じの構成なのはちょっと珍しいタイプかも？
タイプとしてはいわゆるオカルト風味のサスペンス映画なんですが、『ちょっとオカルト要素が弱すぎるかなぁ？』というのが気になるところ。
『結局、赤い服の少女の亡霊って何だったのさ？』って感じの展開で、オカルト部分の影が物凄く薄い。
序盤は主人公達が都市伝説の調査をしてるんだけど、とにかくその部分の印象が弱くて盛り上がりに欠けるために、序盤の展開が物凄くダルいです。
ぶっちゃけ、序盤は『高校生の兄妹がダラダラと休暇を過ごす姿』が延々と撮られてるだけなので、終盤の為に『ネタを仕込む』にしてももう少し見せ方を工夫するか、不気味な雰囲気を演出するなりの『盛り上がる要素』を盛り込めなかったもんかなぁ？
まあ、お話が動き出す終盤はそこそこ盛り上がって良い感じなのですが、終盤は終盤で『手持ちカメラを持って深夜の森の中を走ってるだけ』のシーンが矢鱈と長くて、『主観視点で緊張感がある』というよりも『暗すぎて何が何やら分からない映像』になってしまっているのは困り者。
この辺は、もうちょっと見せ方に工夫があっても良かったと思う。
でも終盤の展開とかは個人的に割と好きな感じですし、ラストも投げっぱなしにせずにキチンとオチを付けてるのは上手い構成だと思いました。
（この手のPOV形式の映画では、ラストが『ご想像にお任せします』的な投げっぱなしになって終わっちゃうのが多いですから…）
総評としましては、序盤～中盤の冗長ささえ我慢出来れば『それなりに観れるレベル』のPOV形式のサスペンスホラーだと思います。
終盤～オチの展開とか悪くない部分もあるのですが、基本的にダルい映画なので精神に余裕のある時（というか眠くない時）に観ないと辛い作品かも？
この手の映画が好きであれば、まあ『そこそこ楽しめる作品』ではあると思いますので、気になっているのであればチェックしておいても良いレベルの一本ではあると思いますよ。
