■■■「ファイナル・デッドブリッジ」■■■
(55点/オカルト)
同僚たちと一緒に会社のバスで社員研修旅行に向かう事となったサムは、道中で工事中の橋が崩落しバスに乗っている社員のほぼ全員が死んでしまうという予知夢を見る。
事故の直前に彼が危険を警告して大騒ぎした事によって、なんとか7人の仲間たちがバスを降りる事となるが、果たして彼の予知夢のとおりに橋は崩落して多くの人々が犠牲になってしまう。
不幸な事故による同僚達の死を悼む彼らだったが、生き残った筈の7人は一人また一人と不可解な事故死を遂げていき…
大事故を生き延びた人々が『死の運命』によって一人また一人と殺されていくという、人気オカルトホラーシリーズ最新作。
タイトルから分かるとおり今回の事故は『橋の崩落』が舞台という事ですが、まあ毎回色々とシチュエーションを考えますなぁ…
本作でこのシリーズも5作目という事ですが、今回は4作目までと監督が交代して新人監督っぽい人に代わってしまった(今までのシリーズは2人の監督が交互に撮ってた)せいもあるんでしょうが、正直言って今までのシリーズと比べると全体的にイマイチというか『パワー不足』な感じ…
まず一番のウリである最初の『大事故』のシーンが、既にあんまり迫力が無いんですよね。
まあ「デッドコースター」や「ファイナル・デッドサーキット」の事故のシーンがインパクトがありすぎなので、あのレベルを求めるのは酷なのかもしれませんがどうにも盛り上がりに欠けます。
とは言え肝心の『死のピタゴラスイッチ』のシーンはそこそこ面白いので悪くは無いのですが、全体的にちょっと意外性や迫力が無いのは難点かなぁ?
今までのシリーズでパターンを使い尽くしてしまっているので、5作目ともなるとバリエーションを持たせるのは難しいのかもしれませんが、緊張感があまり感じられない辺りとか『その展開は無理があるだろ』って部分があったりするのは単純に監督の力不足な気もしたので、もうちょっと頑張って欲しかったところ。
あと本作の今までのシリーズとの最大の違いは、『自分の代わりに誰かを殺せば、その人の寿命の分だけ長生きできる』という新ルールが加わったところかな?
シリーズの『法則』を無視した設定ではありますが、この新ルールのお陰でサスペンス的な要素が加わったのはなかなか面白い試みだと思いました。
(また今までのルールだと、何をやっても『結局は助からない』というオチになってましたからね。)
そういう意味では、『ストーリーの組み立て』という点に関してはシリーズの中でも評価できる作りになっている作品かも?
それ以外に本作で評価できる部分としては、ラストの『オチ』に関してですかね?
お話の舞台が、今までのシリーズよりも過去の設定になってるので『何でなんだろう?』と思いながら見ていたのですが、ラストでこういうオチに持っていくとは思ってなかったので、なかなか意表を突かれた感じで楽しめましたよ。
でも、このオチだと次回作が作りづらくなるんじゃないかという気もしますが、そこまでシリーズの関連性を気にする話じゃないので、あんまり関係ないかな?
あとどうでも良い部分ではあるのですが、本作は元々は3D映画として作られた作品のようで、無意味に『画面に向かって飛び出してくるような演出』が多用されてたのは、ちょっとだけ鬱陶(うっとう)しかったかも?(前作も3Dでしたが、ここまで目に付く作りじゃ無かったので…)
オープニングのタイトルバックやエンディングの『ハイライト集』みたいなのは、なかなか良かったですけどね。
総評としましては、単純にB級ホラーとして観ると『そこそこの出来の作品』ではあるのですが、シリーズものとして考えると『シリーズの中ではイマイチな作品』ってのが正直なところかな?
このシリーズが好きであればそこそこ楽しめる内容ではあると思うのですが、ちょっとマンネリ感も強いので退屈に感じてしまう人も居るかも?
まあそこまで出来が悪い訳でも無いので、今までのシリーズを楽しめた人であれば普通に楽しめるレベルではあると思いますので、『シリーズ通して観ている人』とかであればチェックしておいても損は無い作品だと思いますよ。