NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「フライトナイト/恐怖の夜」(60点/モンスター)

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■■■「フライトナイト/恐怖の夜」■■■
(60点/モンスター)

 高校に通うチャーリーは恋人のエイミーと共に充実した学園生活を謳歌していた。しかしそんな矢先に、新たに引っ越してきた隣人のジェリーが実はヴァンパイアだという事を友人のエドから知らされる。

 最初は彼の話を信じなかったチャーリーだが、やがて友人のエドが行方不明になった事からジェリーに疑惑を抱くようになり、彼の家へと侵入したところジェリーがストリッパーを犠牲にしている驚くべき現場を目撃する。

 しかし彼の母親やエイミーは彼の言葉を信じてくれず、なんとかして彼女たちを守ろうと考えたチャーリーはヴァンパイアキラーの異名を持ち「フライトナイト」というオカルトショーを主催するピーター・ヴィンセントという人気俳優に助けを求めるが…



 とある平凡な高校生の家の隣に引っ越してきたのが恐ろしいヴァンパイアだったという、ティーン向けのモンスターホラー映画。

 1985年に製作されたトム・ホランド監督(チャイルド・プレイの監督)の同名のタイトルのリメイクに当たる作品ですが、自分が学生時代にヴァンパイア物にハマると切欠となった作品だったりするので、この映画までリメイクされるとは感慨深いものがあります。

 ノリとしては、いわゆるティーン向けのモンスターホラーといった感じのテイストで、そこまで残虐なシーンとかは無くてコメディ要素のある軽めのホラー作品といった感じ。

 お話としては『隣の家にヴァンパイアが引っ越してくるんだけど周りの人間は誰も信じてくれずに、頼りに行った「ヴァンパイアキラー」は実はヘタレの落ち目俳優で…』と言った感じで序盤のストーリーはオリジナルと同じような展開。

 ただ、全体的にコメディ要素の強かったオリジナルと比べてリメイク版のヴァンパイアは矢鱈と攻撃的で、中盤以降はオリジナルとはまったく別の『アクション要素がかなり強めの派手な展開』になる辺りはいかにも現代的です。

 まあ、退屈せずに観れるので良くなった部分とも言えるのですが、オリジナルのストーリーが好きだった自分としてはちょっと不満に感じる部分もありますね。

 特にオリジナル版は『ヘタレな少年とヘタレな俳優が勇気を振り絞って本物の男になっていく』という展開が面白かったのに、リメイク版は何となく『なし崩し的』にお話が進展していく感じで、その辺の良さがスポイルされてしまっている気がしたのは残念なところかも?

 あとアクション映画的な展開に注力しすぎたせいで、逆にメリハリが無くなってしまい『冗長な印象』を受けてしまったのも、映画としては難しいところでしょうか…

 またヴァンパイアキラーの設定に関して、オリジナル版はハマーフィルムのヘルシング教授をイメージした設定だったのが、いかにも現代的な『中二病っぽいヴァンパイアキラー』のイメージになったのは、時代を感じさせてちょっと笑ってしまいましたよ。
 (ただピーター・ヴィンセントって名前は、もともとヘルシング教授役で有名な俳優のピーター・カッシングから取ってるので、その辺のオマージュが分かりにくくなったのは難点ですが…)

 ただ、ヴァンパイア役のコリン・ファレルは非常に良い味を出しており、なかなかコレに関しては良いキャラクターを立てたと思います。

 あと、もともとが3D映画として製作されたせいか、要所要所で無駄に『3Dを意識した演出』が入るのは、お約束とは言えちょっと鬱陶(うっとう)しかったかも?(笑)


 総評としましては、単純に『コメディ風味のB級モンスター映画』として観ると、そこまで悪くは無くて『そこそこ楽しめる作品』といった印象ですね。

 ただ、オリジナル版と比較してどちらが面白いかと聞かれると、『思い出補正』を差し引いてもやっぱりオリジナルの方が面白かったと思うので、ぶっちゃけどちらも見た事が無いならば『オリジナルを先に見ておくべし』と言ったところでしょうか…

 まあ、不満点はいくつかあるものの総じて出来は悪くは無い作品ですので、オリジナルを好きだった人とか、この手のジャンルが好きで気になっているのであれば、とりあえずチェックしておいても損は無い一本だと言えるでしょう。