NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「死霊のはらわた(2013年版)」(55点/モンスター)

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■■■「死霊のはらわた(2013年版)」■■■
(55点/モンスター)

 休暇を利用して人里離れた森の中にある古びたロッジを訪れたデビッドらの5人の若者たち。
 彼らの目的は休暇を楽しむことと同時に、デビッドの妹であるミアの薬物依存を治療することだった。

 ロッジで快適に過ごすために、ひとまずロッジの片づけを始めた彼らだったが、異臭のただよう地下室で大量の動物の死骸と奇妙な革張りの古文書のようなものを発見する。

 しかし仲間の一人がその古文書を読んで以降、ミアの様子がおかしくなり、異常に攻撃的になったり何者かに取り憑かれたかのような行動を取るようになってしまう。
 最初はミアのその行動を、薬物依存の禁断症状からくるものだと考えていた彼らだったが…



 人里離れた山小屋で禁断の魔術書を発見してしまった若者たちが死霊によって引き起こされる恐怖へと遭遇するという、モンスターホラー映画。

 1981年に公開されてスプラッタブームのさきがけとして大ヒットした同名のモンスターホラー映画のリメイク作品ですね。

 製作にオリジナル版の監督であるサム・ライミや、シリーズの主役でお馴染みのブルース・キャンベルが加わっており、一応は『正統なリメイク作品』という位置づけなのですが…
 実際には87年に作られた「死霊のはらわたII」が「死霊のはらわた」のリメイク的な内容だった事もあってか、今回はかなりアレンジされた感じのリメイクになっています。

 映画の内容に関しては、お話のアウトラインや部分部分のシチュエーションでオリジナル版を想起させるような内容ではあるものの、どちらかというと割とキチンとしたストーリーのようなものがあって、むしろモンスター映画というよりも『矢鱈とグロい描写のあるオカルト映画』というような感じ…
 ですのでオリジナル版の『ハイテンション&ハイテンポでひたすら死霊が大暴れするようなノリ』を期待してると、ちょっと肩透かしを食らわされるかも?

 確かに『ああ、こんなシーンあったよな!』的な部分も多いのですが、それ以上に『アレ、こんな内容だったっけ?』とツッコミを入れたくなるような部分もかなり多くて、リメイクとして観るとどうにも不満の残る内容。

 ただしリメイクという事をあまり気にせずに、純粋に『別のオカルト映画』的なノリで観るぶんには、まあまあ普通に楽しめるレベルなのは良い感じですね。

 オリジナル版と違って、最初に『何故この場所に「死者の書」があるのか』というのの前振りがあったりしてストーリーにも無理が無く入り込みやすいですし、主人公と妹の兄妹の絆みたいなのを題材にしている辺りも、キャラクターに深みを持たせててキャラを立たせる事に成功していると思います。
 (まあ、アッシュはアッシュで良いキャラでしたけど…)

 また、敢えてCGを殆ど使わずに特殊メイクを使用したという残虐シーンが、無駄に生々しくて物凄く痛そうなのも良い感じ。

 ただ『死霊に取り憑かれた時』の豹変っぷりとか残虐シーンでのテンションの高さとかがあまり無くて、観てて『ちょっと勢いに欠けるなぁ…』と感じてしまうのは残念なところですね。
 (むしろ、本作の死霊は妙に淡々と襲い掛かってくるので、別の意味で怖いですけど…)

 あと、演出に合わせてなんでしょうが全体的に展開がちょっとスローテンポで、若干途中でダレル感じの印象があったのは残念なところかなぁ?
 ラストの展開もやけに唐突で『そんなんで良いんかよ?』って感じのオチでしたし…


 総評としましては、リメイクとして観ると色々とツッコミどころが多いですが『グロ要素強めのオカルトホラー映画』として観るならば、まあ普通に楽しめるレベルの映画だと思います。

 『あの「死霊のはらわた」のリメイクが!!』みたいな感じで身構えていると、物凄くコレジャナイ感に襲われる恐れがありますので、ぶっちゃけ別作品として楽しんだ方が良いでしょう。

 色々とツッコミたい部分はありますが、製作スタッフもキチンとしたメンバーを揃えてるし、ゴースト・ハウス・ピクチャーズ製作だけあってシッカリと作られてる感じの作品ではありますので、気になっているのであればとりあえずチェックしておいても損は無い作品だと思いますよ。