NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・チャイルド:悪魔の起源」(25点/オカルト)

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■■■「ザ・チャイルド:悪魔の起源」■■■
(25点/オカルト)

 人里離れたカリフォルニアの砂漠で車の事故により立ち往生してしまった2人の若い夫婦のティムとアリーは、助けを求めて近くの民家を訪れる。

 民家で牧師と名乗る老人と若い女性の夫婦に出会った彼らだったが、最初はにべもなく追い返されそうになるが、妻が妊娠している事を知ると態度を軟化させ、翌朝にこの辺りを訪れる配達業者の人間に近くの街まで送って貰う事となる。

 その夜は牧師の家で泊めてもらう事となった彼らだが、夜中にアリーが近くの納屋に閉じ込められた子供を発見。

 老人たちの不審な態度に疑問を抱いていた彼らは、なんとかして子供を助けだそうとするが…



 砂漠で事故を起こして立ち往生してしまった若い夫婦が助けを求めて訪れた民家で恐るべき体験をするという、オカルトホラー映画。

 スティーブン・キング原作の「トウモロコシ畑の子供たち(チルドレン・オブ・ザ・コーン)」のシリーズの新作という事ですが、タイトルになってる「ザ・チャイルド」って「トウモロコシ畑の子供たち」とは全く別のホラー映画のタイトルですよね?(確かスペイン製のホラー映画だったかと…)

 タイトルを見た時に一瞬「ザ・チャイルド」の続編でも作られたのかと思ったのですが、なんというか紛らわしいですなぁ…
 邦題を付ける人間ももう少し考えて付けてくれよと…

 一応はシリーズの新作という扱いの作品ですが、ぶっちゃけストーリー的な繋がりは殆ど無くて、『畝(うね)の後ろを歩くもの』が設定として登場する程度で続編と言うよりは良くてスピンオフといった感じの作品です。

 お話としては、『砂漠の中にある民家を訪れた若い夫婦が軟禁されて、色々と調べるうちにこの場所に隠された真実が明らかになっていく』というような感じのストーリーなのですが…
 そもそも『トウモロコシ畑』が出てこないですし『子供たち』すら殆ど出てこないのに「トウモロコシ畑の子供たち」の続編と言われてもなぁ…という感じですよ。

 まあ別にお話の繋がりが薄くてもサスペンスとして面白ければ良いのですが、その部分に関しても正直言って微妙な印象。

 導入部分の展開や序盤の雰囲気やらは悪くないのですが、終盤まで事件が全く起こらずにダラダラとした展開が続くので、どうにも盛り上がりに欠けます。

 監禁タイプのサスペンスとしても『犯人の狂気のようなもの』を感じさせる要素があまりにも少ないので、緊張感も全く感じられ無いのは困りもの。
 牧師がもっと『宗教』に傾倒している描写があるか、件の『子供』がもっと狂気を感じさせるような要素でもあれば、そこそこ盛り上がったと思うんですけどねぇ…

 ラストの唯一の盛り上がる部分に関しても展開に無理がありすぎ、『いや、それ普通に車を停車させれば良かったんじゃ?』と思ったのは自分だけですか?

 あと、謎解き部分の『細かい設定(畝(うね)の後ろを歩くものとの関連性)』とかは割と練られてるとは思うのですが、コッチはコッチで前作からのストーリーの繋がりが薄い割には『前作を知らないと分かり難い内容』だし、もうちょっと構成をどうにかした方が良かったのでは…

 ここまで内容を変えてしまうのであれば、いっそ「トウモロコシ畑の子供たち」の設定は捨てて、完全な新規の作品として作った方が面白い作品になったんじゃないかと思うんですけどねぇ。


 総評としましては、普通にサスペンスとして観ても盛り上がりに欠ける『どうにも微妙な作品』というのが正直なところ。

 少なくとも「トウモロコシ畑の子供たち」の新作として観ると、物凄くガッカリ感を味あわされると思うので、ソッチ方面に期待してる人はむしろスルーしてしまった方が無難かも?

 まあ、どうしても『シリーズを全部押さえておきたい』というのなら止める事はしませんが、個人的にはコレをシリーズに含めるのはどうなんだろう…という疑問を抱いてしまうような内容でしたよ。