NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「キラー・ビー 2013」(60点/モンスター)

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■■■「キラー・ビー 2013」■■■
(60点/モンスター)

 昆虫学者のジーナは南米のジャングルでのフィールドワークの最中に、3週間前に行方不明になった遺伝子工学者の父親の荷物を偶然にも発見する。

 父の遺品の中に巨大な昆虫らしき写真と『トランスジェンテック』という会社の名前の記された書類を発見した彼女は、父の行方を追うために軍の力を借りて荷物の発見された現地へと向かうが、その途中で反政府ゲリラとの戦闘中に1mを超えるような巨大なハチの群れの襲撃を受け…



 遺伝子操作によって巨大化した狩りバチの群れが南米のジャングルで人間を襲うという、モンスターパニック映画。

 「キラー・ビー」なんてタイトルが付いてますが、『ビー(ミツバチ)』ではなくて遺伝子操作で巨大化した『ワスプ(狩りバチ)』が人間を襲うという作品です。
 というか、日本の配給会社は、いい加減にハチの出てくる映画に何でもかんでも『キラー・ビー』と付けたがるのはいかがなものかと思うのですが…
 (ちなみに原題は「DRAGON WASP」)

 まあタイトルへのツッコミはさておくとして、思いっきりイロモノっぽいパッケージやタイトルの割には、中身の方は低予算にしては意外と良く出来てる感じのモンスター映画ですね。

 パッケージを見ると、何か『数メートルはありそうな巨大なハチが口から炎を吐いてる絵』が描いてあるのですが、『またまた、流石にそれはパッケージだけのハッタリなんでしょ?』と思いきや、本編でも巨大なハチが火を噴きながら襲い掛かってきたのは、ちょっと笑ってしまいました。

 ただこの辺の設定は、遺伝子操作でゴミムシの遺伝子を取り込んでて『化学反応を起こす高温のガスを噴出する』という特徴が与えられていたりと意外とシッカリしてて、こういう『割とどうでも良い部分』をシッカリと描いている作品は、製作者が怪物に対する思い入れを持ってる場合が多くて作品自体もシッカリしてる事が多いのですが、本作も割とその例に漏れない感じ…

 お話としては、『ジャングルで行方不明の科学者を娘が探しに行く』という流れなのですが、モンスターの襲撃シーン以外にも反政府組織のゲリラとの派手な銃撃戦があったり、主人公たちのキャラクターを掘り下げるシーンがあったりと、全体的に割と退屈させないように気を使って作っている印象。

 怪物はCGで人間との直接の絡みが少な目なのは残念なところですが、実際にジャングルにロケに行ってたり銃撃戦で派手な爆発があったりと、そこそこ予算がかかっている感じでビジュアル的にも楽しませてくれます。

 また先述しましたが怪物の設定が割とシッカリと作られており、それなりにリアリティが感じられるのもなかなか良い感じ。(『そんなデカい図体でどうして酸欠にならないんだ?』とか『狩りバチはそもそも群れを作らないだろう?』とか、細かい部分はツッコミどころ満載ですけど…)

 残念なのは、怪物の存在感がある割には意外と襲撃シーンが少なくて、見せ場と呼べる部分があまり無い事かなぁ?

 序盤のゲリラの集落で過ごすシーンとかが無駄に尺が長くてちょっと冗長に感じたので、その辺を削ってでももう少しモンスターの襲撃シーンを増やして欲しかったところですが、やはり『CGのモンスターの襲撃シーン』を沢山作ると予算が厳しいんですかねぇ…

 あとラストのモンスター退治のシーンも、ちょっとアッサリしすぎで物足りなかったかなぁ?
 名前だけ散々出てきた黒幕の『トランスジェンテック社』とかってのも、最後まで正体不明のままでなんだかスッキリしない終わり方でしたし、その辺がもうちょっとシッカリと描かれてれば、もっと良い作品になったんじゃないかと思うんですけどね。


 総評としましては、B級作品としては意外と良く出来てて『そこそこ観れるレベルのモンスターパニック映画』といったところでしょうか?

 強くプッシュする程ではないですが、低予算と割り切って観るならばそれなりに楽しめる作品だと思いますので、その手のジャンルが好きならばチェックしておいても良い感じの一本ではないでしょうか?

 『ケーブルTV系とかTV東京系とかで放映されそうな作品』ではあるので、積極的に観たいまででは無くても気になる人は、その辺のチャンネルをチェックしておいても良いかもしれません。