NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「[アパートメント:143]」(50点/オカルト)

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■■■「[アパートメント:143]」■■■
(50点/オカルト)

 超心理学の調査チームである、精神科医のDr.ヘルザーと助手のエレン、エンジニアのボールらの3人は、難病の妻の死去以降に奇妙な現象に襲われているというホワイト一家から依頼を受けて、彼らの暮らすアパートメントの調査を行う事となる。

 カメラや特殊な機材を持ち込んで、科学的、超心理学的な様々な方面からの調査を開始する彼らだったが、調査していくうちに妻の死にまつわる思いがけない事実が判明して行き…



 妻の死から奇妙な現象に悩まされるようになった一家の調査を依頼された心理学者が、驚くべき心霊現象を目の当たりにするという、オカルトサスペンス映画。

 いわゆる『幽霊屋敷もの』の作品なのですが、ただのオカルトではなくて『超心理学者のチームが持ち込んだ機材で撮影した映像』という視点で描かれた、最近流行のモキュメンタリータイプのオカルトサスペンス映画って奴ですね。

 基本的にモキュメンタリーだけあって低予算路線でちょっとリアル系の作品なのですが、その低予算具合によってあまり過剰じゃない演出や豪華すぎない機材や調査方法が妙にリアリティをかもし出しており、良い意味で『低予算がが功を奏している作品』という感じかも?

 サスペンスとしての登場人物のキャラの立て方なんかもなかなか上手くて、妻を失った事で親子の関係に悩まされている父親や、母親の死によって反抗期に拍車がかかってしまった娘といった家族の関係なんかもなかなかリアルですし、それを調査する主人公たちの心の動きなんかも丁寧に描かれてて良い感じ。

 単なる地味なだけのドキュメンタリーものかと思いきや、ストーリーが進む毎に妻の死に関する『隠された秘密』が徐々に明らかになっていくというミステリー仕立ての構成も、なかなか上手いです。

 全体的な構成は割と上手いですしお話のテンポも良くてダレる事もあまり無いのですが、リアリティがあるとはいえ基本的には地味な話なので、序盤~中盤の展開がちょっと盛り上がりに欠けるのは難点かなぁ?
 ストーリー的な見せ場になるシーンがあまり無いために、なんというかラスト辺りまでひたすら淡々とお話が進んでいく印象…

 また終盤はそれなりに盛り上がるシーンも用意されているのですが、逆に急激に派手な展開になりすぎて序盤~中盤で感じされたリアルな部分とのバランスが悪くなってしまっている感じなのは痛し痒しといったところですね。

 あと、ラストの展開がちょっと急すぎて『ポカーン』といった感じになってしまう辺りや、オチで謎が微妙に残されたまま終わってしまうので観終わった後にちょっと『モヤっとした感じ』になってしまうのは、人によって評価が分かれそうな印象です。
 (結局、父親の語った内容が全て真実なのか、母親の霊が何をしたかったのか…とかが自分には良く分かりませんでしたよ…)


 総評としましては、『小粒ながらも意外とシッカリとまとまった感じのオカルトサスペンス映画』といった感じの作品ですね。

 凄く良い部分も無いのですが総じて悪くもなくて『それなりに観れる内容』なので、そういった系列の作品が好きならば『まあ普通に楽しめるんじゃないかな?』という印象です。

 敢えて推すほどでは無いにしても、幽霊屋敷ものとかのジャンルが好きで気になっているのであればチェックしてみても良いかもしれまでんが、とりあえず急がないならCS/BSやネット配信とかに期待して待ってみても良い程度の作品かもしれません。