（６５点／モンスター：結構オススメ）
モテないけどスケベな事ばかり考えているお馬鹿な高校生のリッキーとＪＴは、廃墟となった精神病院にへと忍び込んだ際に、迷い込んだ地下室で『裸でベッドに縛り付けられた一人の少女』を発見する。
彼らは、彼女が普通ではない『ゾンビ』のような状態だと気付き、リッキーは警察に届けようとするが、ＪＴは彼女をレイプし『自分たちの性奴隷として地下室に監禁し続ける事』を提案する。
やがて幼馴染のウィーラーも加わって３人で秘密を共有するようになり、倫理観と友情との間で揺れ動くリッキーだったが、彼らの間で思わぬアクシデントが発生してしまい…
精神病院の地下で『ゾンビ少女』を見つけて彼女を性奴隷として監禁する事になった若者たちが次第にトラブルへと巻き込まれていくという、サスペンス風味のモンスターホラー映画。
作品の題材や設定からイロモノっぽい印象を受けますが、なかなかどうして意外と良く出来たサイコサスペンス映画という感じの作品です。
ゾンビ映画としてはかなり変化球といった感じで、なかなか捻りが効いてて面白い設定ではあるのですが、それ故に『ゾンビ映画じゃなくても成り立つよね』というような部分はちょっと多めかも？
ちなみに設定やタイトルを聞くとなんとなくコメディっぽい印象を受けますが、内容的にはいたってマジメというか、むしろ『重くてシリアス過ぎる』ような印象のお話です。
ストーリー的には、廃病院の地下でゾンビ少女を見つけた２人の青年の一人は『自分の欲望を満たすためだけ』に行動しようとし、もう一人は『倫理観と友情との間で揺れ動く』というような感じの展開なのですが…
あらすじだけ聞くと『トンデモ設定』のように感じるのですが、構成的には思いがけずに『力』を手に入れてしまった２人の若者が、一人は力に溺れてしまい、もう一人は理性を持って踏みとどまろうとするという割と王道の設定で、意外とシッカリとしたストーリーでテーマも分かりやすく描かれている感じ。
ただマンガとかならともかく『リアルなゾンビの少女』は絵的にもかなり怖い訳で、『そんな相手にエッチな事をするのか？』と言われると自分にはそんな勇気は無い訳ですが、その辺の矛盾を『特殊な家庭環境で育ったせいで相当歪んだ価値観を持ってる主人公たち』という設定を加える事で、特に違和感が無い感じに描いているのはなかなか上手いですね。
また、倫理観からアクマで『理性』の側に踏みとどまろうとする主人公が、『思いがけぬトラブル』や『横恋慕している幼馴染の女の子との恋愛ドラマ』などが絡まりあって、否応がなしに事件へと巻き込まれていくというストーリーの見せ方は意外と説得力があって悪くありません。
終盤での絶望感や救いの無い展開も非常にホラーらしくて良い感じで、特に終盤～ラストとかは『賛否両論ある展開』だとは思いますが、個人的にはなかなか楽しめましたよ。
（ラストで主人公が何で『平気だったのか』は、自分には最後まで良く分からなかったですが…）
ただ、序盤～中盤とかで主人公の葛藤しているシーンとかが少し長くて、キャラをしっかり描いているのは分かるのですがちょっとダレ気味だったのは残念なところかなぁ？
また低予算ゆえに特撮もショボ目で盛り上がるシーンも少な目ではあるので、もうちょっと『派手で盛り上がるべき見せ場がシッカリと描かれていればなぁ…』と感じたのは、ちょっと残念なところでした。
総評としましては、かなり変化球ながらも『予想以上に良く出来たサスペンスホラー映画』と言った感じの作品でした。
変り種のゾンビ映画とかを求めているのであれば意外と楽しめる内容だと思いますので、その手のジャンルが好きで気にっているならばチェックしておいても損は無い一本だと言えるでしょう。
重めのストーリーで割とシリアスなノリなので万人にオススメとまでは行きませんし、ちょっとゾンビの影が薄めなのでゾンビ好きにも手放しでは薦め難い感じですし、作品のテーマの割に『ソンビ萌え』とはいかない内容ではありますが、観る場合はその辺はちょっと大目にみて鑑賞してみてください。（笑）
