NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ロスト・メモリー」(60点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「ロスト・メモリー」■■■
(60点/サスペンス:結構オススメ)

 地元の病院で医師を務めるハンナは、ある日、睡眠薬を過剰摂取して救急病棟に運ばれてきた女性を救護するが、その女性が幼い頃に仲が良くてバカンスを共に過ごしていたクラリッサだと気付く。

 25年ぶりの再開に驚く2人だったが、お互いに悩みを抱えていた彼女たちは、息抜きと旧交を温める意味も込めて幼い頃にバカンスを共に過ごしていた孤島へと、ハンナの娘のレアも含めて3人で旅行に赴く事となる。

 しかし旅先で過去のアルバムを見ていたところ、幼い頃に一緒に遊んでいた筈の島の住人であるマリアの記憶が無い事に気付いたハンナは、彼女の正体を調べたところ幼い頃に失踪しそのまま行方不明になっている事が判明。

 ハンナは自分の『欠落した記憶』の中にマリアの『失踪』に関わる秘密があるのでは無いかと考えて、過去の記憶を取り戻そうと調査を開始するが…



 一人の女性の幼い頃に失われた記憶に隠された『秘密』とそれにまつわる事件を描いた、ドイツ製のオカルト風味のサスペンススリラー映画。

 とある女性が『封印された幼い頃の記憶』を辿るうちに、恐るべき真相へとたどり着くという感じの、設定だけを観ると割とありがちな感じのサスペンス映画ですが…
 実際の中身のほうは、ちょっと『ひと癖ある作品』といった感じの構成ですね。

 お話としては『幼い頃の封印された記憶』という設定や、断片的に思い出される記憶の一部みたいなものを見ているだけで、大概の人は主人公の記憶に隠された『秘密』の正体が簡単に見当が付いてしまうと思うのですが…

 ストーリーの中盤でその『謎解き』がアッサリと終わってしまうのでいったいどうなるのかと思いきや、その後にもうひと波乱あって『予想もしない展開』へとお話が進んでいくってのは面白いですね。

 序盤~中盤で張られてた伏線がラストでシッカリと回収されてビシッと一本筋の通ったストーリーになるという構成も上手いですし、謎解きに殆ど不自然な部分や説明不足の要素が無いため『モヤっとした要素』が残らないのも良い感じです。

 映像表現なんかも悪くは無くてお話の『雰囲気作り』なんかもなかなか良い感じなのですが、『オカルトっぽい演出』や過去の『封印された記憶』の見せ方に関しては淡白すぎる印象なので、もうちょっと『過剰に湿っぽい感じ』で描写しても良かったかも?

 あと中盤で最初の『謎解き』が終わってからストーリーが1回リセットされてしまうみたいな構成なので、中盤あたりがちょっと冗長で『少しダレた感じ』になってしまっているのは惜しいところ。

 尺も少し長すぎる印象なので、この部分のストーリーの繋ぎがもう少しスムーズで全体的なテンポが良ければ更に良くなったと思うんですけどね…

 また、ラストで『ストーリーで提示された謎』がスッキリとキレイに解かれるのは良いのですが、あの『物凄く後味の悪い感じのオチ』は賛否両論あるかもしれません。


 総評としましては、素直に『ストーリーが良く練られてるなあ』と感じるような内容の、なかなか良くできたサスペンススリラー映画でした。

 TSUTAYAの独占レンタル系の作品は微妙なものが多いのですが、本作はTSUTAYA独占系では珍しく『当たり』といった感じの作品ですね。

 若干の不満や『こなれてない印象』を受ける部分もありますので強く推すまでは行かないですが、謎解き系のサスペンス映画が好きな人ならば『ごく普通に楽しめるレベル』の一本だと思いますので、その手の作品が好きであればチェックしておいても損は無いタイトルだと言えるでしょう。