■■■「アックス・ジャイアント」■■■
(50点/モンスター)
ミネソタ州の山奥で1週間の『犯罪者更正プログラム』を受ける事になったクレアらの5人の若者たちは、鬼教官のあまりのしごきのキツさに脱走を画策する。
しかし道中で偶然『雄牛の角』を拾った彼らの前に、『両刃の斧を持った巨人』が出現、仲間の一人を斧で一刀両断し彼らを執拗に追跡しはじめる。
なんとか山小屋に逃げ込んだ彼らは、地元の住民からその巨人こそがアメリカの民間伝承に登場する伝説の『ポール・バニヤン』で、彼らが巨人のペットだった『雄牛の角』を盗んだ事に怒り狂って追跡してきていると知らされるが…
アメリカの民間伝承に伝わる伝説の巨人が出現して若者たちを襲うという、モンスターホラー映画。
アメリカ入植者たちの民間伝承に伝わる『ポール・バニヤン』という伝説の樵(きこり)が登場するというモンスター映画なのですが、自分はこの『ポール・バニヤン』の事を良く知らなかったので何者なのかと調べてみたところ…
大昔の「丸大ハンバーグ」のCMで子供たちに『大きくなれよー』と言ってた大男が、このポール・バニヤンなのですね。
いや、物凄くどうでも良い知識な上に古い話で申し訳ない。
■丸大ハンバーグ CM
>http://youtu.be/0yHlKd-Il-Y
まあそれはさておくとして、映画の方は良くも悪くも普通のB級モンスター映画って感じの作品ですね。
本編でのポール・バニヤンは身長4~5mぐらいの巨大な斧を持った巨人という風体なのですが、実際には『肉襦袢の着ぐるみを着た大男』が演じておりそれをCG合成で巨大に見せてるという感じです。
この『巨人の特撮』と『実写の合成』は割とリアルに見えるように頑張っているのですが、やっぱ巨人がどうみても巨大な『肉襦袢男』にしか見えないので映像にリアリティがあればあるほど、逆に笑いがこみ上げてきてしまうという困った状態に…(笑)
まあ良く言えば『味がある特撮』なんですが、ぶっちゃけちょっと安っぽいです。
モンスターの出現シーンや襲撃シーンは割と多めで、そこそこスピード感もあり作品全体のテンポは良い感じ。
5mの大男が走って追いかけて来るシーンは、そこそこ迫力があります。(肉襦袢を気にしなければ…)
ただ本編の殆どが『若者たちがひたすら逃げているだけ』のシーンで、ストーリーらしいストーリーが全く無い上にキャラも今ひとつ立っておらず、どうにも面白味に欠ける印象。
『ポール・バニヤンを題材としている事』が本作の一つのウリになっているのか、地元のオッサンが怪物の正体の謎解きとして『ポール・バニヤン伝説の真実』みたいのを語るシーンがあるのですが、この解説が本編と殆ど関係ない割に妙に長くてちょっとダレ気味なのも気になります。
ラストの展開とかは割と熱くて良いのですが、そこに到るまでの展開が今ひとつ盛り上がりに欠けるので、全体的に『もうちょっと盛り上がる要素があればなぁ…』という感じの作品でしたよ。
総評としましては、全体的に悪くは無いんだけど突出して良い部分も無いという『平均点的なB級モンスター映画』って感じの作品ですね。
ポール・バニヤンというレアなモンスターを扱っている事とか『巨大な肉襦袢男』とか、まあそれなりに個性のある作品ではありますので、その辺が気になるのであれば観てみても損は無いと思いますよ。
なんというか、ネタ的なインパクトやツッコミどころの満載さから『TV東京の木曜洋画劇場辺りで放映するのに向いてそうな作品だなぁ』という感じの内容でした。