NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ザ・サスペリア-生贄村の惨劇-」(15点/オカルト)

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■■■「ザ・サスペリア-生贄村の惨劇-」■■■
(15点/オカルト)

 森の中にあるとある小さな村では、人々が地面に開いた穴を『穴神様』として崇めて信仰し、そのご利益を得るために穴に生贄を捧げるという独自の文化と風習を持つ人々が暮らしていた。

 ある日、『穴神様』の次の生贄として自分が選ばれた事を知った村の若い娘であるエイダは、お告げがあった事を隠蔽しようとするが、彼女が生贄となる事を拒んだせいで村の他の住人たちが『穴神様』の呪いによって殺されていき…



 森の中に開いた奇妙な「穴」を信仰する集落で少女が生贄の運命から逃れようとしたせいで惨劇が巻き起こされるという、オカルトホラー映画。

 「ザ・サスペリア」なんてタイトルが付いていますが、当然ながら本家の「サスペリア」とは何の関係も無い映画なのですが、そもそも悪魔崇拝も魔女も登場しなくて「サスペリア」との共通性は1ミリも無いので、何を思って「サスペリア」なんてタイトルを付けたのか疑問を抱かずには居られないレベルの作品です。

 お話としては、森の奥に開いた「穴」を「穴神様」として崇めるという奇妙な風習を持った集落で起こる事件を描いたオカルトホラーという感じで、いわゆる『雰囲気映画タイプのホラー映画』な訳ですが、雰囲気映画のクセに雰囲気がちっとも宜しくないのは困りもの。

 とにかく何の雰囲気が微妙って、この「穴神様」が物凄くショボいんですよ。

 設定からして、もっと神秘的で不気味な冥界へと続くような洞穴みたいなのかと思いきや、なんかスタッフが2~3人で適当にスコップで掘ったかのような物凄くショッパイ縦穴で、神秘性とか全く感じられません。

 独特の世界観を持った作品の割には、この「穴神様」がショボいおかげでお話に説得力が全く感じられずに、単にリアリティの無い安っぽいだけのお話になってしまっている印象。

 また、ストーリーの説得力が感じられない以外の部分も面白いかと言うとそうでもなく、ストーリーもビックリするほどツマらないんですよね…

 ヒロインは一応、妊娠している事から『子供を守るために生贄から逃れようとする』みたいな設定なのですが、特に子供への愛情を感じさせるような描写も無いせいで、単に『村の人が犠牲になっていても独善的に逃げ回っているだけ』にしか見えませんし、それ以外の部分でも特にキャラクターに魅力も感じられないため感情移入も抱けません。

 村の人が犠牲になる残虐シーンも『カメラの映像が乱れて次のシーンでは死んでる』みたいなのばっかりで全く盛り上がりませんし、展開も物凄く冗長で全てにおいてショボくて楽しめる要素があまり感じられないんですよね。

 また、本作のネタバレをされても困る人が居るとは思えないのでネタバレしてしまいますが、ラストのオチも何の解決も無いまま『結局ヒロインが生贄として殺されて終わり』で穴神様がどういう存在なのかも良く分からないままでオカルトとしても中途半端ですし、本気で何を楽しんだら良いのか全く分からないレベル。

 『独特の世界観や世界設定』だけはちょっと面白いと言えなくはないものの、それ以外の要素があまりにもツマんなすぎて、久々に早送りボタンに手をかけたくなるのをガマンするのにトニー・スターク並の鋼鉄の意志を要求されるような映画でしたよ…


 総評としましては、割と掛け値なしに『無駄な時間を過ごした』と思わされるような『割とどうしようもない映画』という感じ…

 ネタ映画として笑えるような要素も無いですし、敢えて本作を観なければならない理由は全く思いつきませんが、何か忍耐力を鍛える精神修行を積む必要性を感じているような人なら観てみても良いんじゃないでしょうか?

 久々にネタとしても作品としても純粋にツマんなくて、箸にも棒にもひっかからないような何とも言えない映画でしたよ…