（３５点／モンスター）
米軍による新兵器の実験中に実験用ロケットが墜落。
動物園と一体型のアミューズメントパークである『アドベンチャーコーヴ』のイリエワニの池にロケットの積荷が落下するという事故が発生する。
動物園の飼育主任であるジムは、米軍からの要請で生物学者のジェーンとともにロケットの部品の回収に協力する事となるが、麻酔で眠らせた筈のイリエワニが突如にして目覚めて池の鉄格子を破って逃走してしまう。
ありえない事態に動揺しながらもイリエワニを捕獲しようとするジムだったが、実は米軍ロケットの積荷は『生物の体に侵入し機械化してしまうナノマシン』で、その影響でイリエワニが機械とワニの融合体である『ロボクロコ』へと進化してしまった事を知り…
米軍の秘密兵器であるナノマシン実験の影響でイリエワニが無敵の『ロボクロコ』に進化して人々を襲うという、モンスターパニック映画。
なんというかタイトルだけはインパクトがあるのですが、肝心の中身の方は地味というか雑な作りが目立つ微妙な作品でした。
お話そのものは『米軍の秘密兵器のせいでイリエワニが「ロボクロコ」に進化して逃走しテーマパークの客を襲い始めました』という、まあ割とお約束な感じのプロットで悪くは無いのですが、ストーリーがなんというか『微妙』なんですよ…
ストーリーは『ワニを捕まえようとする飼育員』と『事件に巻き込まれた大学生
（飼育員の息子）』の２人の主人公の視点でお話が展開するような感じなのですが、無駄に視点がコロコロと切り替わるせいでお話がなかなか進まないですし、どちらも中途半端な感じでどうにも盛り上がりません。
『モンスターを追跡するシーン』と『モンスターに襲撃されるシーン』を同時に展開させたかったのでしょうが、単に主人公たちのキャラが描き込み不足になってて感情移入し難くなっているだけなのに加えて、シーンの繋ぎが雑なせいで見せ場が散漫になってしまっている印象で、完全にアイデア倒れしちゃってる感じなんですよね。
特に主人公とヒロインの恋愛要素とか物凄く唐突で『何で無理矢理その要素を入れたんだ？』って感じなのがなんとも…
（お話の中盤でボーイフレンドをワニに食われたヒロインが、エンディングで何事も無かったように主人公と付き合おうとするのは流石に変だろ…どんだけドライ人間なんだよ？）
モンスターの襲撃シーンに関しても、別々に撮った映像を繋ぎ合せてパニックシーンにしている場面が多いのですが、この映像の繋ぎが雑で違和感全開。
映画そのものは低予算映画にしては『そこそこ予算がかかってる作品』に見えるのですが、パニックシーンの見せ方がヘボいせいでとにかく盛り上がりに欠けるのが辛いところです。
あとウリである肝心のモンスターが、デザイン的にもキャラ的にも魅力が無いのが一番残念なところかなぁ？
もっと、トランスフォーマー的な『有機体と機械のハイブリッド』みたいなモンスターを期待してたのに、途中からは完全に『金属の骨格標本』にしか見えないような感じになってしまいますし、モンスターの動機も『生き残る事』が前提のせいで逃げ回っているだけのシーンが多くて対決シーンが面白く無いんですよ。
せっかくインパクトのあるモンスターを表題にしてるんだから、もっと軍隊との対決シーンとかをシッカリと描いて欲しかったです。
総評としましては、なんというか出オチ感の激しい『色々な意味で中途半端な感じの微妙な映画』というのが正直なところです。
部分的には悪く無い要素も多いのですが、総合的に観た際のガッカリ感というか冗長な印象が酷くて、どうにもイマイチ感の拭えない作品でした。
この手のＢ級映画が大好きでタイトルからして気になっているのであれば、無理に観るのを止める事はしませんが、個人的にはあんまりオススメ出来ない一本ですよ…
