■■■「モンスター」■■■
(50点/ミステリー)
19世紀末のマサチューセッツ州。
資産家の名士の娘であるリジー・ボーデンは、父親を溺愛し再婚した母親に馴染めない事から、両親に反発して母の時計を勝手に盗んで万引き売り払ったり、店で万引きをしたりという反抗的な態度を取っていた。
そんなある日の午後、リジーは父親が自宅の居間のソファーで何者かに顔面を斧でメッタ打ちにされて殺されているのを発見。
すぐに医者と警察が呼ばれるが、その直後に母親も2階の寝室で同様に斧で殺害されているのが発見される。
事件当時の情況から、警察は第一発見者である娘のリジー・ボーデンが犯人だと考え、殺人罪として彼女の裁判が行われる事となるが…
米国犯罪史に残る未解決事件である『リジー・ボーデン事件』を題材とした、クリスティーナ・リッチ主演によるスリラー風味のミステリー映画。
本作の題材となっている『リジー・ボーデン事件』というのは自分は初めて知ったのですが、アメリカでは民間伝承となっているような割と有名な未解決事件のようですね。
ちなみに本編ではサイコパスっぽいヒロインが主人公のミステリアスな事件として描かれていますが、実際の事件の方は遺産相続絡みで色々ともめていたりと、もっとドロドロとした内容のようです。
お話としては、『開拓時代のアメリカの田舎町で地元の名士が惨殺されるんだけど、果たして真犯人は娘のリジー・ボーデンなのか?』というような内容で、彼女の裁判を中心に謎解きが進んでいくという感じの展開です。
ミステリーというカテゴリーになっていますが謎解き要素はそこまで強くなくて、実際の事件の情況や証拠を元に裁判所を舞台として事件を紐解いていくというような感じで、割と淡々とお話が進んでいきます。
序盤は雰囲気映画的なテイストが強くて、美少女(そろそろ少女と呼ぶのは厳しいか?)なんだけど、どこか病的な雰囲気のあるクリスティーナ・リッチが非常に良い味を出しています。
こういうサイコパスっぽいキャラクターってクリスティーナ・リッチには割とハマり役だと思うので、もっとやって欲しいなぁ…
ただまあ、ヒロインのキャラクターは割とハマり役だと思うものの、お話そのものは面白いかと言われると、まあ『普通かなぁ?』って感じの内容。
実話がベースなせいで山場とかを作りにくいってのもあるとは思うんですが、全体的に淡々としてて物凄いドンデン返しとかも無いので、どうにも盛り上がりに欠けます。
お話は一応キチンと決着は付くのですが、ベースとなる事件が未解決事件なうえに実際の事件の真相を究明している訳でも無いので、なんか中途半端なノリでモヤっとしたものが残るんですよね…
どうせフィクションのオチにするなら、もっとトンデモ設定にしても良かったかもしれません。
あと、途中で唐突に挿入されるハードロックの挿入歌の演出はいったい何なんでしょうか?
作品の雰囲気とあってる訳でも無くて、割とマジで意味不明だったんですが…
(もしかしたら、実際のリジー・ボーデン事件を題材とした楽曲とかなんだろうか?)
総評としましては、ツマんなくは無いんだけどそこまで面白くもない『地味な印象のミステリー映画』って感じの作品ですね。
作品の雰囲気は良いですしクリスティーナ・リッチは相変わらず可愛いので、彼女のファンであれば観ておいても良いって程度の映画かもしれません。
特にオススメする程でも無いですが、悪い出来でも無いので観ようとしているのであれば特に止める事もしませんが、なんというか可も不可も無いってレベルの一本って感じでしたよ…