（４０点／モンスター）
アメリカの片田舎にあるブラック湖では、異常繁殖したクロコダイルを隔離するために湖の周りに高圧電流のフェンスが張られ厳重な管理体制が敷かれていた。
しかしそんなある日、正体不明の大型トラックがフェンスを破壊して爆発し、大量のクロコダイルが逃走してしまうという事故が発生。
次々と犠牲者が増えていくなか、保安官のリバはクロコダイルの管理を行う魚類生物局のタリーに協力を依頼して事態の収集を図るが、ワニを追ううちに森の中でアメリカには居ないはずの巨大なアナコンダに遭遇し…
人食いクロコダイルが異常繁殖した湖に２匹の巨大なアナコンダが解き放たれた事によって大パニックが巻き起こるという、モンスターパニック映画。
タイトルからしていかにもＢ級というかＤ級ぐらいの超低予算映画っぽいタイトルなので、特に内容とかチェックせずに見始めたのですが、お話の舞台が『ワニが大量発生して高圧電流フェンスで囲まれた湖』という設定で、しかもロバート・イングランドがどこかで見たようなキャラクターで登場。
『あれっ、これってもしかして「レイク・プラシッド」シリーズの続編なの？』と思って見ていたら、アナコンダの方は「アナコンダ」シリーズでお馴染みの『不死の蘭』の話まで出てきたりしたので流石に気になって調べてみたところ、なんと「U.M.A.レイク・プラシッド」のシリーズ第５弾で、しかも「アナコンダ」シリーズとクロオスオーバーしたという夢のドリームマッチみたいなタイトルのようです。
（ちなみに原題は「LAKE PLACID VS. ANACONDA」。）
「U.M.A.レイク・プラシッド」と「アナコンダ」というと一応は人気シリーズなんだから、せっかくクロスオーバーさせるならこんな分かり難い低予算映画みたいなタイトルじゃなくて、もっと分かりやすいタイトルを付けてくれよと…
ただまあ実際の中身の方は、むしろ『このタイトルにふさわしいような内容』としか言いようが無いような出来の作品です。
一応は元がメジャータイトルだけあり、そこそこＣＧとかに予算がかかっている事もあって、モンスターの襲撃シーンなんかが割とシッカリと描かれているのは好印象。
序盤は『水の中に引きこまれる』みたいなシーンばかりでイマイチですが、後半辺りからは人間との絡みも増えてそこそこ見どころもある感じ。
ただ襲撃シーンの一つ一つが矢鱈と軽くて迫力が無く、見せ方にあまり面白味が無いので物凄くアッサリしてる印象を受けるんですよね。
「レイク・プラシッド」シリーズは、巨大ワニの重厚な迫力のある襲撃シーンがウケた作品でもあったので、なんと言うかちょっと肩透かしな感じです。
また登場人物の殆どが『イヤミで身勝手なキャラ』と『アホっぽい若者』しか居ないせいで、観ていても『別に誰が食われても構わんわ…』という気分になってしまい緊張感が感じられないのも困りものです。
（というか何でヒロインとかまで、あんなに横柄でエラそうなキャラなの？）
ただ、演出やストーリー以上に残念なのは「アナコンダ」の出番が意外と少ないという事かなぁ？
もともと「レイク・プラシッド」シリーズの新作という位置づけみたいなせいもあるのかもしれませんが、全体的にワニの方がメインという扱いで、アナコンダの出番があまり多くありません。
特にタイトルにVSと付いてる割には、ワニとアナコンダがあんまり絡まない（文字通り）ですし、またアナコンダの胴体が妙に細くてワニに比べると凄く弱そうに見えてしまうのも難点かも？（実際にはワニより強いんだけど）
この辺は『２大怪獣の大決戦』みたいなノリを期待していたのでどうにも肩透かしな印象。
もっと迫力のあるモンスター同士の激突を見せて欲しかったですよ…
ストーリーも、テンポの良さは良い感じですが全体的に展開がグテグテでやたらとシーンが飛ぶせいで分かり難い構成ですし、オチも唐突過ぎて何のインパクトも無いですし、この辺はいかにも低予算のＤ級映画って感じのノリでしたよ。
でもまあ、ロバート・イングランドが前作に引き続いて良い味を出していたのは、まあまあ評価できる点かも？
総評としましては、ちょっと予算が多目にかかってる割には、悪い意味で『いかにも低予算モンスター映画』的な感じの作品ですね。
しかし「U.M.A.レイク・プラシッド」と「アナコンダ」は２作目ぐらいまでは割と面白かったのに、シリーズを重ねる毎に微妙な作品を連発してて最新作がコレというのはどうなんだというのが正直な印象。
何か『かつて好きだった人気スターが地方巡業でイベントの前座をやってるのを偶然目撃してしまった』みたいな、なんとも微妙な気持ちになる映画でしたよ…
まあ致命的にツマんない訳でもないので、シリーズが好きだった人やらイキオイだけのモンスター映画とかを求めている場合は、そこそこ観る価値はあるかと思いますので、そういうネタとして観るぶんにはチェックしてみても良い一本ではないでしょうか？
