■■■「CAGE ケージ」■■■
(60点/サスペンス:結構オススメ)
女子高生のカイリーは、ハロウィンの夜に街から離れた豪邸にベビーシッターとして訪れる事となる。
家人の留守中に子供たちを寝かしつけ留守番をする事となった彼女だが、深夜に何者かが玄関のドアをノックした事から確認に向かったところ、豚のマスクを被った少年が立っているのを発見。
ハロウィンに訪れた子供だと考えてドアを開けたところ、唐突に同じように豚のマスクを被った2人の不審者の襲撃を受ける。
どうにか襲撃者の手を逃れて屋敷へと逃げ込んだ彼女だったが、男たちが窓を割って家の中へと侵入してきた事から、なんとかして犯人から姿を隠しつつ子供たちを救出しようとするが…
豪邸にベビーシッターに訪れた少女が正体不明の覆面の男たちの襲撃を受けるという、サスペンススリラー映画。
欧米ではサスペンスとしてメジャーなジャンルである、いわゆる『ホームインベージョンもの』のシチュエーションスリラー映画ですね。
お話の内容の方は割とオーソドックスなシチュエーションスリラーという感じで、『犯人たちの正体と目的は?』とか『果たしてヒロインは無事に危機を乗り切る事が出来るのか』というオーソドックスな展開を中心にお話が進んでいくのですが…
これがオーソドックスながらに非常に良く出来ていて、なかなかに面白い。
ストーリー的にもそこまで凝った展開や奇をてらったような展開もないのですが、割と序盤からとにかくひたすらに『ピンチ』と『(危機を脱する)チャンス』との連続で、先がどう転ぶのか展開が全く読めない逆転に継ぐ逆転といった感じの構成なのは非常に上手いです。
(まあ先が読めないって言っても、序盤からやすやすと脱出に成功しないって程度は分かりますけど…(笑))
またシチュエーションスリラーながらも主人公たちを巡る状況がめぐるましく変わっていくので、非常にテンポ良く殆ど退屈しないで観れるのも良い感じ。
ヒロインの正義感の強い性格も好感が持てますし、割と頭が切れて自主的に行動を起こすキャラなので、この手の映画でありがちな『主人公がアホな行動を取って変にイライラさせらる』という要素が無いのも地味に良い部分でしょう。
オチは賛否両論ありそうな終わり方ですけど、なかなか想像の余地を残した上手い『投げっぱなし』の仕方ではないかと…
ただコンスタントに良い部分の多い本作なのですが、低予算故にあんまり派手さは無いですし、シチュエーションスリラー作品としてもそこまでの意外性が無く特に目新しいような要素も無いのは残念なところと言えるかも?
またサスペンスとしての突出した個性とか奇抜な要素やらシチュエーションやらもあまり無いですし、投げっぱなし気味の話なのでキッチリとしたストーリーのあるサスペンス作品を期待してるとちょっと肩透かしを食らってしまうかもしれません…
総評としましては、小粒ながらも非常に良くまとまった『佳作レベルのB級サスペンス映画』って感じの作品です。
オーソドックスなシチュエーションスリラー的なノリの作品が好きな人であれば、ほぼ間違いなく楽しめるレベルだと思いますので、その手のジャンルが好きであればチェックしておいて損はないでしょう。
良い意味で『普通に面白い作品』ですので、そこそこ出来が良くてテンポの良いサスペンス映画を求めているならば割とオススメの一本ですよ。